英語「study」と「learn」の違い!2つのニュアンスを知って上手に使おう!
「勉強する」や「学ぶ」を意味する英語の”study”と”learn”という2つの言葉。みなさんは、これらの違いを説明できますか?
日本語の意味から、同じような感覚で使われがちですが、実は持っているニュアンスにはハッキリとした違いがあります。
そのため、上手に違いを使い分けないと、伝えたい意味がしっかりと伝わらない可能性があるんです。
今回は、”study”と”learn”の違いについて紹介します!
「study」と「learn」の違い
それぞれの詳しい使い方を解説する前に、2つの言葉の違いを簡単に紹介しておきます。
どちらも「学ぶこと」や「勉強すること」に関わる言葉ではありますが、以下のような違いがあるんです。
“study” ⇒ 学ぶ「過程」にポイント
“learn” ⇒ 学んだ「結果」にポイント
そのポイントの違いから、次のような違いも持っています。
“study” ⇒ 学んだことが身についたかどうかは分からない
“learn” ⇒ 学んだことが身についたかどうか分かる
“study”はあくまでも「過程」にしかポイントを置いていないので、その結果身についたかどうかについては”study”だけでは表しきれないんです。
一方の”learn”は「結果」にポイントを置いているので、身についたかどうかを表現することができます。
それでは、さらにニュアンスの違いを理解できるように、詳しく使い方を見ていきましょう!
「study」について
学ぶ「過程」にポイント
単に「学習する」や「勉強する」という「行為」を言うときには”study”を使います。ある知識などを身につけるための「過程」にポイントを置いている言葉です。
My daughter studied English.
(うちの娘は英語を勉強した。)
この文では、英語の知識をいろいろと身につけるために「勉強した」ということだけを伝えています。
身についたかどうかはわからない
上で紹介した例文のように、”study”を使うと「英語を勉強している」という「過程」を言うことはできますが、その結果「英語の知識が身についたかどうか」についてはわかりません。
なので、「勉強した結果、身についたかどうか」については、別の表現を加えて言う必要があります。
My daughter studied English, but she still can’t speak well.
(うちの娘は英語を勉強したけど、いまだに上手に話せない。)
「勉強した」という事実はあるけど、結果として身についていないということですね。
では、もう1つの例文を見てみましょう。
My daughter studied English, so she can speak fluently.
(うちの娘は英語を勉強したので、ペラペラ話せる。)
こちらは、「勉強した」という過程が「話せる」という結果にきちんとつながっています。
このように、”study”だけでは「身についたかどうか」を表すことができないので、「結果」を伝えたければ新たな表現を加えて言わないといけないんです。
「調べる・研究する」という意味合い
“study”という言葉には、「学術的・学究的」なニュアンスがあります。
つまり、どういうことかというと、「何かを調べたり研究したり読んだりすること」というイメージがあるんですね。
机に向かってコツコツと勉強する、資料をいろいろ読み漁る・・・そんなイメージ。やはり、ここでもその「過程」にポイントが置かれています。
そのため、学校の教科に関しては”study”を使って表現するのが自然なんです。
I studied math very hard when I was in high school.
(高校時代は数学を一生懸命勉強したよ。)
他には、じっくりコツコツとやるというイメージから「調べる」や「研究する」という意味合いでも使えます。
例えば、こんな風に使うことができますよ。
We need to study possible negative effects of the supplement.
(そのサプリメントの考えられる悪影響について調べた方がいいね。)
情報を集めたり人から聞いたりしながら、「そのサプリメントには悪影響がないか」を調べていく感じですね。
学者や研究者が調べるような大規模なことはもちろんですが、私たちの身近なことに関しても使うことができますよ。
His son loves studying beetles.
(あいつの息子はカブトムシのことを研究するのが大好きなんだよ。)
「カブトムシはどんな餌を食べて、どんな風に行動するのか」などをじっくりと研究している感じです。それを表現するのにも”study”を使うことができるんですね。
ちなみに、学術的な意味合いとは離れますが、「調べる・研究する」というニュアンスから発展して、ちょっと面白いこんな使い方もあります。
Mary doubted her husband was telling a lie, so she studied his face.
(メアリーは旦那がウソを言ってると思ったから、彼の顔をよーく観察したんだって。)
「旦那の顔が引きつっていたり鼻がピクピクしてないか」など、嘘をついたことで起こる変化がないかじーっと見ている様子を表しています。
「learn」について
学んだ「結果」にポイント
“learn”が持つニュアンスは「何かを学習して技術などを身につけている」です。あることについて、学習した「結果」にポイントを置いています。
My daughter learned English.
(うちの娘は英語を学んだ。)
この文で言えるのは、「娘は英語をしっかりとマスターして使えるということ」です。
「過程」でなく、「結果」を表現しているのが”study”との違いですね。
身についていることがわかる
“learn”を使って表現できるのは「身についている、習得していること」だけです。
そのため、以下のように言うことはできません。
× My daughter learned English, but she still can’t speak it well.
これだと、「うちの娘は英語を身につけたけど、上手に話すことができない」と、よく分からない内容になってしまいます。”study”との大きな違いですね。
“My daughter learned English.”と言うだけでも「身についた」ということは伝わりますが、続けるなら以下のような内容の文だけです。
My daughter learned English and she can speak it fluently.
(うちの娘は英語を身につけて、ペラペラ話せるのよ。)
「身につけたからペラペラ話せる」という自然な流れになっていますね。これならOKです。
「身についている」という「結果」を表す”learn”ですが、「学んでいる最中でも、しっかりと身についてきている」という意味合いで、以下のように進行形の表現もできます。
My daughter is learning English.
(うちの娘は英語を習得中です。)
まだ「身についた」とは言い切れないけれど、きちんと勉強したことが力になってきているという感じですね。
「知る・習得する」という意味合い
“learn”という言葉には、「ある方法などを自分のスキルや技術としてものにする」という意味合いがあります。
日常生活などでしっかりとそれを活かして、何らかの形で表現したり使ったりできるということですね。
そのため、スポーツや車の運転、ダンス、楽器の演奏などには”learn”を使うのが自然です。
I learned how to cook Japanese cuisine from my grandmother.
(私は日本食の作り方を祖母から学んだ。)
「日本食を作るのに必要な知識や技術を学んで、自分でもそれを行うことができたり人に伝えたりできる」ということです。
他には、情報を見聞きして「知る」というときにも”learn”が使われます。
He learned important information about the rival company.
(彼はライバル会社の重要な情報を知った。)
「情報を得た」イコール「自分のものにした」という感覚から、”learn”が使われるんですね。
「その情報について知って、誰かに伝えたりその情報を活かして物事を進めることができる」という感覚です。
さらに、少し時間をかけて何かを覚えたり暗記したりするときにも”learn”を使うことがあります。
例えば、こんな感じですね。
Teachers have to learn their student’s names as soon as possible.
(先生たちは出来るだけ早く生徒たちの名前を覚えないといけない。)
「生徒たちの名前を知って、それをしっかりと頭の中に入れて、1人1人の名前を間違えずに呼べるようにする」という意味合いから”learn”が使われます。
その場でただパッと暗記すればいいわけではなく、ずっと覚えておく必要がありますよね。これも「身につける」感覚です。
おわりに
今回は”study”と”learn”の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
日本語だけで考えると、そんなに大きな違いがあるようには感じられませんが、実は”study”と”learn”にはハッキリとした違いがあるということを感じてもらえたかと思います。
この違いをしっかりと意識しながら、使い方をマスターしちゃいましょう!