英語「above」と「beyond」の違い!例文で2つの言葉の使い方を覚えよう!
英語の前置詞の仲間である”above”と”beyond”という2つの言葉。みなさんはこの2つの言葉のニュアンスの違いはバッチリですか?
内容によっては日本語で「上回ってる」や「超えている」のように、同じように訳されることがあります。そのため、この2つの使い分けで迷ってしまうという方も多いようです。
今回は、そんな日本語の訳に惑わされずスムーズに使いこなせるようになるために、英語の”above”と”beyond”の違いについて紹介していきたいと思います!
「above」と「beyond」の違い
“above”と”beyond”、それぞれの言葉の使い方を見ていく前に、2つに違いを簡単にチェックしておきましょう。
どちらも「上回っている」や「超えている」という訳をされることが多いですが、以下のような違いがあります。
“above” ⇒ ある基準より高さが上
“beyond” ⇒ ある範囲や境界を越えている
上記の違いをイメージ言うとこんな感じ。
“above” ⇒ 垂直的な方向、上の位置にあるイメージ
“beyond” ⇒ 水平的な方向、別次元・別世界にあるイメージ
では、これら2つの言葉について詳しく見ていきましょう!
「above」について
「位置」が上である
この使い方は知っているという方が多いかもしれませんね。物理的に上の位置にあるということを表現します。
基準となる場所からは離れて上の方にあり、真上とは限りません。
A lot of birds are flying above the trees.
(たくさんの鳥が木の上を飛んでるよ。)
この場合、木が基準となる場所ですね。そして、そこより離れた上の位置で鳥が飛んでいるという様子を表現しています。
「数・程度」が上回っている
ある数や程度を基準にして、それよりも上回っているということを表現する使い方です。
There were above 1000 people at the conference.
(その会議には1000人を上回る人がいました。)
“1000 people”を基準にして、それよりも多い人たちがそこにいたので”above”を使って表現しています。
「地位」が上回っている
誰かの地位が上であることを示すときにも、”above”を使うことができます。
Tom and Roger are the same age, but Tom is above Roger in this company.
(トムとロジャーは同い年だけど、会社での地位はトムの方が上だ。)
トムとロジャーは同じ年であり、会社も一緒という同じ空間にいるけど、その中でトムの方が地位は上なので”above”を使って表現することができるんです。
「能力」が上回っている
誰かの能力が他と比べて高いというときの”above”の使い方を見てみましょう。
She was above her classmates in every school subject.
(彼女は全ての教科において、クラスの誰よりも優秀だった。)
「彼女」と「彼女のクラスメート」は、「同じクラス」という同じ空間にいるけど、その中で彼女の成績やテストの点数がクラスメートよりも高い位置にあるってことですね。
「重要性」が上回っている
ある物事の重要度が他のことよりも上だと言うときにも、”above”を使うことができます。
Love is above money to us.
(私たちにとってはお金よりも愛が勝る。)
「愛」や「お金」は私たちが生きている世界、つまり同じ世界に存在するものです。その中で「愛」の方が重要度が上ということで”above”を使って表現しているんですね。
もちろん、「お金」の方が上だと思えば逆にして言うこともできますよ。
Money is above love to us.
(私たちにとっては愛よりもお金が勝る。)
「beyond」について
「位置の範囲」を超えている
ある場所とその周りを1つの範囲として、その範囲を超えているということを表現するときの”beyond”はこのように使います。
My house is beyond the bridge.
(私の家は橋の向こう側にある。)
今いる場所と橋を含めた場所を1つの範囲と考えて、そこから出た場所に家があるということで”beyond”を使って表現しています。
「カテゴリーの範囲」を超えている
本来はそのカテゴリーに属するものだけどずば抜けて素晴らしいものや同じカテゴリーに属する他のものとはちょっと違いを感じるものありますよね。
そういったものに対して”beyond”を使って表現することができます。
His work is beyond art.
(彼の作品は芸術の域を超えている。)
ここで言う「作品」は、絵画や彫刻などの芸術作品のことを指しています。
カテゴリー分けしたら「芸術」ではあるのですが、そのくくりでは表せないくらいの素晴らしさを感じているので、”beyond”を使って表現しているんですね。
「能力の範囲」を超えている
あることが「人の能力の範囲」を超えているというときの”beyond”の使い方です。
I think this work is beyond his ability.
(この仕事は彼の能力の範囲を超えてると思うよ。)
「彼の能力」という目には見えないものですが、頭の中でそれをイメージして、その仕事がイメージした「彼の能力の範囲」からはみ出てしまっていることを伝えています。
「想像の範囲」を超えている
こちらは、ある物事が「想像の範囲」を超えているというときの使い方です。
His talent was beyond my imagination.
(彼の才能は私の想像を超えていた。)
彼の才能が、「こんな感じかな」と自分が想像していた中に含まれていなかったんですね。
範囲を作っていた想像を超えちゃってたことを伝えるために”beyond”を使って表現しています。
おわりに
今回は、英語の”above”と”beyond”の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
日本語では同じように訳す場合でも、その中に込められている意味合いや状況によって、以下の”above”や”beyond”の違いを使い分ける必要があります。
・”above”は「ある基準より高さが上」というニュアンス
・”beyond”は「ある範囲や境界を越えている」というニュアンス
いろんな「上回っている」や「超えている」を伝える例文を自分で考えながら、”above”や”beyond”の使い分けを練習してみるといいかもしれませんね。違いを意識しながら、ちょっとずつ身につけていきましょう!