英語の前置詞「上」の表現!on/over/aboveの違いを例文で紹介!
英語の前置詞の中で「上」を意味する”on”、”over”、”above”という3つの言葉。
何となく意味の違いは分かっていても、細かい使い分けになると迷ってしまうという方も多いかと思います。一言で「上」と言っても、これらの言葉にはハッキリとした違いがあるんです。
今回は、その違いを理解してバッチリ使い分けられるように、「上」を表現する英語の前置詞”on”、”over”、”above”について解説します!
「on」「over」「above」の違い
詳しい使い方を見ていく前に、それぞれの前置詞の違いについて簡単に確認しておきたいと思います。
それぞれ、「上」に込められているニュアンスには以下のような違いがあるんです。
“on” ⇒ 何かに接している「上」
“over” ⇒ 何かを覆っている「上」
“above” ⇒ 何かよりも位置が「上」
では、これらの英語の違いをもっと詳しく理解するために、それぞれの使い方について1つ1つ確認していきましょう!
「on」の意味する「上」
「何かの上に接している様子」を表す
「○○の上に」と聞いたときに、英語の前置詞”on”を思い浮かべる人は多いかと思います。
もちろん”on”にはそのような意味がありますが、厳密に言うと「○○の上に接した状態」を指します。つまり、ある人や物の一部分がくっついていて上に乗っているイメージです。
例えば、こんな風に使います。
Your glasses are on the chair.
(あなたのメガネは椅子の上よ。)
これはメガネのどこかの部分が椅子に接していて上にあることを示しているんです。
人の場合でも、考え方は同じ。
My brother is lying on the mat.
(お兄ちゃんはマットの上に横になってる。)
「横になってる」というこことは、「体がマットに接している状態」ということですね。
このように英語の前置詞”on”で「○○の上に」を表現するときには、上にいる人や上にある物の一部がそこに接している必要があります。
「over」の意味する「上」
「覆っている様子」を意味する
英語の前置詞”over”で表現する「○○の上に」は、ある物全体で下にいる人やある物を覆っているようなイメージです。
例えば、こんな風に言うことができます。
Put a blanket over John.
(ジョンに毛布を掛けてあげて。)
この場合、ジョンの上に毛布全体を掛けることで、ジョンを覆っているイメージです。
他にもこんな使い方ができます。
He threw a towel over the athlete’s shoulders.
(彼はその選手の肩にタオルを掛けてあげた。)
この文でイメージできる様子は、その選手の肩の上にタオル全体を掛けて覆っているところです。
ここまでの例では、「全体」と「一部」という違いはありますが、”over”も”on”のように、下にいる人やある物に接していました。
ですが、状況によっては、英語の前置詞”over”で「○○の上に」を言うときには、必ずしも何かに接している必要はありません。
では、接していない状態の「上」を”over”で表現している例をいくつか見ていきましょう。
「跨っている様子」を意味する
跨っている様子を表すときの”over”の使い方です。
下にいる人やある物を覆うイメージではありますが、それらに接していないというときですね。
例えば、こんな風に使います。
Rainbow Bridge is over Tokyo Bay.
(レインボーブリッジは東京湾の上に架かっています。)
レインボーブリッジは東京湾を覆うようにしてありますが、直接東京湾に接しているわけではありませんよね。東京湾を跨いでいるような感じです。
だから、”over”を使って「東京湾の上に」を表現するのがピッタリなんですよ。
「その上を移動する様子」を表す
英語の前置詞”over”で、「覆っている」あるいは「跨っている」様子以外に、その上を「移動する」様子を表現することができます。
この場合も、下の人や物に触れている必要はありません。
人や物を下にして、端から端まで移動しているようなイメージです。
以下の例文を見てみましょう。
A lot of seagulls are flying over the sea.
(たくさんのカモメが海の上を飛んでいるよ。)
ここで表現しているのは、カモメが海の上を端から端まで飛んでいるということです。
もちろん、きっちり端から端までキレイに飛んでいるわけではありませんが、一定の場所に留まってるわけではなく、移動しながらその上を飛んでいるということです。
「above」の意味する「上」
「位置が上である様子」を意味する
英語の前置詞”above”には、接しているというイメージは全くありません。
下にいる人やある物とは接していなくて、単に位置が上にあることを示します。「真上」にあるような感じです。
“over”で使った例文を、”above”に変えて、その違いを感じ取ってみましょう。
A lot of seagulls are flying above the sea.
(たくさんのカモメが海の上を飛んでる。)
こちらも「海の上」を意味していますが、”over”のように「移動しているイメージ」はあまり感じられません。
単に、海の上に飛んでるカモメがいることを表している感じです。
この「何かよりも位置が上」というイメージが、他のニュアンスでも使われます。その例を見てみましょう。
「立場が上であること」を意味する
実際に目に見えるものではありませんが、ある人よりも上の地位にいることを表現する場合も”above”を使うことができます。
例えば、こんな風に使うことができるんです。
Mika is above me in the project team.
(このプロジェクトチームではミカの方が立場が上だ。)
これは、プロジェクトチーム内での地位が自分が下で、それより上にミカがいるということを意味しています。
「基準より上であること」を意味する
こちらも目に見えて分かることではありませんが、ある基準に対して人や物がそれよりも上であることを、つまり、基準を超えていたりクリアしていたりすることを”above”で表現することができます。
例えば、以下のような使い方ができるんです。
People above 17 years of age can vote in Japan.
(日本では18歳以上の人たちが投票できる。)
「17歳」という年齢を基準にして、それを超えている人たちを指すので”above”を使っています。
「17歳より上」ということですから、「17歳」は含みません。日本語で言う「18歳以上」を意味しています。
おわりに
今回は、「上」を意味する英語の前置詞”on”、”over”、”above”の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
日本語では同じ「上」という言葉を使う場合でも、英語では状況やニュアンスによってこれらの3つの前置詞をしっかりと使い分ける必要があるんです。
使われている英語のイメージや意味合いをしっかりと思い出しながら、様々な例文でその使い方を練習していきましょう。