「high」と「tall」の違い!英語の「高い」を表す言葉の使い方を理解する!
英語で「高い」を表す言葉と言えば、”high”と”tall”、この2つの言葉を思い浮かべた人が多いかと思います。
確かにどちらも「高い」を意味する言葉ですが、ではこれらの違いは一体何なんでしょうか?「イマイチ違いが分からない!」という方も案外多いかもしれません。
そんなわけで、今回は英語の「high」と「tall」の違いについて、詳しく解説します!
「high」と「tall」の違い
まずは、2つの言葉の違いについて大まかにチェックしましょう。
それぞれが表す高さには以下のような違いがあるんです。
“high” ⇒ 位置の高さ(地面に接していてもいなくてもOK)
“tall” ⇒ 地面からの高さ
このような違いから、次のような意識の違いが生まれます。
“high” ⇒ 上に意識
“tall” ⇒ 下から上までに意識
さらに、2つの言葉にはこんなイメージの違いもあります。必ずしも、全ての物がこのイメージに当てはまるわけではありませんが、そのような傾向が強いです。
“high” ⇒ 幅が広くて高い
“tall” ⇒ 細長くて高い
そして、もう1つ大きな違いがあります。それは人に対して使えるかどうかです。
“high” ⇒ 人に対して使えない
“tall” ⇒ 人に対して使える
それでは、この大まかな違いをおさえつつ、それぞれの言葉の詳しい使い方を確認していきましょう!
「high」について
「頂点が高い」を意味する
上に意識があることから、”high”は建物などの頂点が高い位置にあることを示します。
いくつか例文を挙げてみます。
The wall is high.
(その壁は高い。)
The Tokyo Skytree is a high tower.
(東京スカイツリーは高い塔だよ。)
We can see the high mountain.
(高い山を見ることができる。)
それぞれ、「壁」、「塔」、「山」という別々のものですが、同じ感覚で”high”を使っています。
どれも「地面から建っているもの・存在しているもの」ではありますが、「地面から頂点までどのくらいの高さなのか」ということは特に意識していません。
「てっぺんが上にあるなあ」という感覚です。
「位置が高い」を意味する
あるものや場所の位置が高いということを表現するときにの”high”の使い方です。
例えば、こんな風に使います。
I feel that the sky is especially high here.
(ここでは空が特に高く感じるなあ。)
The ceiling of this room is a little too high.
(この部屋の天井はちょっと高すぎるね。)
「空」も「天井」も上にだけ存在するものですよね。だから、「上に意識」というニュアンスを持っている”high”がピッタリです。
「上にあってその位置が高い」というイメージを表現しています。
「数値が高い」を意味する
ある事柄に関する数値が高かったり大きかったりするときにも、”high”を使うことができます。
例えば、こんな風な使い方です。
He has to take medicine for his high blood pressure.
(彼は高血圧の薬を飲まなくちゃいけないんだ。)
この場合は「血圧が高い」ということを”high”で表現しています。血圧は数値で出てきますよね。その値が上の方にあるという意識です。だから、「上に意識」がある”high”が適しているんですね。
ここまでは、実際に目に見えるものに関して「高い」と言うときのパターンでした。
実は、この”high”は、「目に見えないもの」や「抽象的なもの」についても使うことができるんです。いくつかの使い方を確認していきましょう!
「地位が高い」を意味する
地位の高さを表現するときにも”high”を使います。
例えば、こんな感じです。
The family belongs to high society.
(その家族は上流階級に属しています。)
世の中には様々な社会があり、その階級には違いが存在しますよね。
これは、その階級が上であることを表現している例文です。「上」にだけ意識が向いています。
「レベルが高い」を意味する
ある事柄のレベルが高いことを言いたい場合にも”high”が使えるんです。
例えば、こんな表現をすることができます。
His job performance is at a high level.
(彼の仕事はレベルが高い。)
もちろん、レベルも目に見えるものではありませんが、ある基準や他の物との比較で考えて「レベルが高いな」と感じるときには”high”を使うことができます。
「質が高い」を意味する
“high”は、ある物に関して「良い品質」、「優れた性能」など、その質が高いことを表現するときにもピッタリの言葉です。
こんな風に使います。
All the products of the company are of high quality.
(その会社の商品は全て高品質だ。)
こちらも実際に見えるものではありませんね。レベルと同様に、基準と照らし合わせたり比較したりして「質が高い」と感じるときには”high”を使って表現できるんです。
「tall」について
「背が高い」を意味する
実は、”tall”で表せる「高い」は、”high”と比べると限られているんです。
「地面からの高さ」や「下から上にまで意識」というニュアンスから、「背丈の高さ」を表現することしかできません。
では、「”high”について」の中の「頂点が高いを意味する」の項目で使った例文を”tall”で言ってみましょう。
The wall is tall.
(その壁は高い。)
The Tokyo Skytree is a tall tower.
(東京スカイツリーは高い塔だよ。)
We can see the tall mountain.
(高い山を見ることができるよ。)
どれも日本語で見ると同じように感じますが、”tall”を使う場合は「地面から頂点までどれくらいの高さか」を意識しています。
下から上まで見て「高い」というイメージです。
“tall”は”high”と違い、人に対して使うことができますので、身長の高さを表現することができます。
Her husband is tall and slender.
(彼女の旦那さんは背が高くてスラッとしてるのよ。)
この場合は、人ですので「地面につく足先から頭のてっぺんまでの高さ」を意味しています。
“tall”の持つ「下から上までに意識」というニュアンスが生かされているんですね。
おわりに
今回は、「高い」を意味する英語の”high”と”tall”の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
同じ「高い」でも、それぞれが持つニュアンスや表現できる事柄には大きな違いがありましたね。
どんな場面でどちらを使えば良いのかスムーズに判断できるように、少しずつ練習しながら身につけていきましょう!