前置詞「by」の使い方!場所・手段・基準を表現する英語!
英語の”by”というと、どんな使い方が思い浮かびますか?他の前置詞と同じように多くのパターンがあるんです。
どの使い方でも前置詞”by”の持っている「近く」というイメージが基本になっています。
今回は前置詞”by”の使い方を紹介します!
「場所」を表す使い方
“by”が持つ「近く」のイメージが最もわかりやすいのが、「場所」を表すときの使い方ではないでしょうか?
同じ「近く」という意味で”near”という単語もありますが、この”by”の方が距離的には近いです。
位置
人や物、建物の「位置が近い」というときに使われます。隣なのか前なのか後ろなのかはわかりませんが、とにかく「近く」ということ。
That tall man by the door is her husband.
(ドアの近くにいる背の高い男の人が彼女の旦那さんよ。)
I want to live by the sea.
(海の近くに住みたいな。)
ただし、注意点として「地名」が後に続く場合には”by”を使うことはできません。その場合は”near”を使うので、気をつけて下さいね!
たとえば「新宿の近く」という意味で”by Shinjuku”とは言えません。”near Shinjuku”とするのが正しい形です。
“by”の持つ「近く」というのは、広い範囲に対して使うのには適しません。誰が見ても「ここ」と分かるピンポイントの「近く」なのです。
「新宿」のように範囲が広いところの「近く」というのは、人によって感じ方が大きく変わってきます。ピンポイントで「ここ」と指せる近さではないから、”by”は向いていないんですね。
通過
“walk”や”pass”といった動詞と共に使うと「○○の側を通り過ぎる」という意味になります。
その行為の流れの中で、何かが「近く」にあったというイメージから”by”が使われるんです。
I passed by the new restaurant on my way home yesterday.
(昨日の帰り道に新しいレストランの側を通った。)
「手段」を表す使い方
あることを行うための「手段」を表すときにも”by”が活躍します。
「目的」を達成するためには「手段」が必要。その「手段」があるからこそ「目的」が達成できる。その2つはとても近いんです。そんな感覚から”by”が使われます。
似た使い方で「道具」を表す”with”がありますが、あちらは「行動をするのと同時に道具が使われている」という「つながり」です。
この「手段」を表す”by”は「手段」の次に「目的達成」があるので、同時に存在するわけではありません。あくまでも「近く」なんです。
例を見ながら、そのイメージを掴んでいきましょう!
乗り物
交通手段である「乗り物」を表現するときに”by”を使うことができます。
この形には馴染みのある方も多いのではないでしょうか?「自転車で学校に行く」「電車で東京に行った」などですね。
“by+○○”の形で使います。○○に入る「乗り物」には冠詞をつけないのが基本です。
Did you come here by car?
(車でここに来たの?)
ここに来ることができたのは、車という「手段」があったからかどうかを尋ねる質問です。
I will go there by train.
(電車でそこに行くつもりだよ。)
こちらはこれから「そこに行く」という「目的」を達成するために、「電車」という「手段」を使うことを示しています。
連絡
“by”を使って「郵便で」「メールで」などの連絡や通信などの「手段」を表現することもできます。
Please send it to me by fax later.
(あとでそれをファックスで送ってください。)
「それを送る」という「目的」を「ファックス」という「手段」で達成することをお願いしています。
媒介
何かを通じて、ある行動を通して、といった「手段」を表す使い方もあります。
例えば、こんな例です。
I got this by auction.
(これオークションで手に入れたんだ。)
「これを手に入れることができた」という「目的」を達成できたのは、「オークション」という「手段」だったからということですね。
行動を「手段」として、別の行動を「目的」としてる場合にはこんな使い方ができます。
My mother stays healthy by walking every morning.
(私の母は毎朝歩くことで健康を保ってる。)
「目的」は「健康を保つこと」、そしてそれを達成するための「手段」は「毎朝歩くこと」というわけです。
「基準」を表す使い方
「ここまで」「このくらい」というように物事の「基準」を示すときの使い方もあります。
その「基準」の「近く」に物事が存在しているという感覚から”by”が使われます。「基準」というものがまずあって、そこに近づくように、または近くで物事が行われているイメージです。
「基準」というのは実際に目に見えるものではありませんから、感覚的な「近く」と考えます。
ではそのイメージで”by”をどのように使っていくのか見ていきましょう!
単位
「○○毎に」という単位を表現したいときにも”by”を使うことができます。「単位」という「基準」を設けて、そこに近づくように何かをするということ。
特に日本語の感覚と違っていて、少しイメージを広げて考える必要があるので捉えにくいかもしれませんね。例えばこんな例があります。
Eggs are sold by the dozen at the supermarket.
(スーパーでは卵はダース単位で売られています。)
「ダース単位」という「基準」があって、「卵を売る」という「行動」がその「基準」の近くにいるという感覚です。
期限
「この日までに○○してね!」など締め切りを伝えるときの使い方です。
通常、締切を設定するときは「その行動が締め切りとなる日や時間の前の段階で終わること」を想定していますよね。
「行動」と「期限」が「近く」にあるというイメージになります。だから”by”がピッタリなんです。
締切ギリギリに終わらす人もいますが、とりあえずそういう人のことは置いておきましょう。文法のルールではそういう人のことまで考えてませんから(笑)
Make sure to submit your report by tomorrow.
(明日までにレポートを必ず提出して。)
おわりに
今回は前置詞”by”の使い方を紹介しました。いかがでしたか?
この”by”に関しては、他の前置詞以上にイメージを広げて考える部分があるので少し難しいかもしれません。ですが、これも少しずつ慣れていくとスムーズに理解できるようになってきます。
今回紹介したパターンは一部です。様々な英語に触れて他の”by”の使われ方というのも見つけてみましょう。そして、慣れてくるまでは「近く」というイメージで考えて、学習することをお忘れなく!