イースターの意味とは?意外と知らない卵やウサギの関係を解説!
日本でも徐々に有名になりつつある「イースター」という行事。とは言ってもクリスマスやハロウィンほどの知名度ではありませんよね。しかし「イースター」はある意味クリスマスよりも重大なイベントなのです!
今回はアメリカで行われている「イースター」をご紹介しますよ!
イースターって何?
イースターはイエス・キリストの復活祭!
イースターとはキリスト教徒にとって大切な祝日。十字架にはりつけられて死んだイエス・キリストが、3日後に再び蘇ったことを祝う復活祭なのです。
クリスマスがイエス・キリストの誕生日として盛大にお祝いされるのと同様に、亡くなったイエスが生き返ったとされる日はキリスト教徒にとって非常に重要なものだというのが分かりますね!
考え方によってはイエスが生き返ったことで、彼が多くの人から神格化されたと言っても過言ではありません。そのためイースターこそ現在のキリスト教を支えるビッグイベントなのですね。
イースターは春に行われる移動祝日!
基本的にイースターとは、イエスが十字架にかけられて亡くなった金曜日である“Good Friday”(グッド・フライデー)の後に来る日曜日とされています。なぜなら処刑から3日後の日曜日に、イエスが復活されたと言われてますからね。
しかしこのイースターは毎年行われる日が変わる移動祝日!毎年「この日にやる!」と決まっていないので、もしかしたら日本ではクリスマスほどメジャーにならなかったのかもしれません。
西方教会(カトリックやプロテスタント)では「春分の後にくる初めての満月後の日曜日」に行うとされています。
この日にちを割り出すのは、実は少々面倒くさいもの。そのためイースターは毎年3月22日〜4月25日のどこかに起こるという、行われる日に非常に幅のある祝日でもあるのです。ちなみに2016年は3月27日、2017年は4月16日、2018年4月1日となります!
とにかく春に行われるイベントであると認識していればいいでしょう!
ちなみにアメリカでイースターは国民の祝日ではありません。日付が毎年変わるというのもそうですが、様々な宗教が存在する多民族国家であることが理由でしょう。
イースターの名前は女神「エオストレ」が由来!
なぜ「イースター」と呼ばれているのかは、実は定かではありません。しかし一番メジャーに言われているのは、アングロ・サクソン人が信じていた春の女神”Ēostre”(エオストレ)から来たとされる説です。
春は新しい生命が宿り、植物や動物が繁栄する季節。キリスト教徒とは関係のない異教徒たちは、もともと繁栄を意味する女神を讃え、春の訪れをお祝いしていたのです。
そこにキリスト教化の流れがきて、本来異教徒たちがお祝いしていた春の祭りを、キリスト教徒が復活するイエスのイメージと重ね合わせて統合していったと言われています。
つまりイースターは名前も由来もキリスト教とは無関係と言えるのです!イースターは春の女神を表すだけで、イエスの復活は意味していないのです!
アメリカ人はイースターの日に何をするの?
卵やカラフルな色で飾り付け!
アメリカでは家の中を卵で飾り付けする人がいます。この卵で後でちゃんと食べられるゆで卵の場合もあれば、プラスチック製の模型、もしくは卵形のチョコなどが使われることも!
他にも春の訪れを感じさせるような、カラフルな配色で飾り付けを楽しみます。お花を飾るのもそうですが、先ほどの卵もピンクやイエローなど色とりどりにペイントされるのです。
全体的に明るくて可愛い雰囲気を楽しめるイベントなんですね!
子供達はエッグ・ハントを楽しむ!
イースターの日、子供は“Egg Hunt”(エッグ・ハント)を楽しむのが一般的。ウサギによって公園・庭・家中に隠されたとされる卵を、子供達は必死で探し出すのです!
エッグ・ハントに使われる卵はカラフルなプラスチック製のものがメインで、中におもちゃやお菓子が入っていることがしばしば。まるで宝探しのようなイベントの後に、中を開けて確認するのも楽しみの一つなんですね!
ホワイトハウスで行われるエッグ・ロール!
“Egg roll”(エッグ・ロール)という卵を使ったゲームも人気のアクティビティの一つ。特にアメリカでは、毎年ホワイトハウスの庭で行われることで有名です!
子供達とその親をホワイトハウスに招き、綺麗に手入れされた芝の上で行うこのイベント。長い柄のスプーンを使って卵を転がしてレースをする競技なんです!
有名な政治家や芸能人がウサギのコスチュームを身にまとって登場したり、本の読みかせをするなど、エッグ・ロールに付随して様々なアクティビティが催されます。
家族で過ごす日!
アメリカでは国民の祝日ではないものの、多くのキリスト教徒にとっては大切な日であります。こういった祝日には家族で一緒に時間を過ごすのが定番。
当日は家族や親しい友人と一緒に豪華な食事をするのが一般的です。ハム、ラム、チキンを使ったごちそうや、中には料理にゆで卵などの卵料理を出す家庭も!
ニューヨークではパレードが!
アメリカでは“Easter Parade”(イースター・パレード)というイベントも開催されます。楽しいお祭りごとという認識で、キリスト教の正式な行事ではなく、むしろ宗教的意味があまりないパレードと言っていいでしょう。
パレードに参加する人たちは、流行りのオシャレな服やイースター関連のコスチュームを身にまとうのが通例。特に女性はハットを被るのが定番ですね!ファッショナブルなものから、花をたくさんあしらったもの、卵をモチーフにしたコミカルなものなど、様々なハットを見ることができます!
イースター・パレード中でも一番有名なのが、ニューヨークシティの5番街で行われるもの。1870年代から始まった歴史のあるイベントなんです!
メッセージカードを送り合う人も!
イースターをお祝いする人は、家族や友達にメッセージカードを送り合うこともあります。定番モチーフの卵やウサギを始め、春の訪れを感じさせる華やかなデザイン、新しい命の誕生を意味するヒナなどが描かれたカードが一般的!
キリスト教徒であれば、“Happy Easter!”(イースターおめでとう!)の一言が添えてあるでしょう。
ウサギと卵は何の意味があるの?
ウサギは女神「エオストレ」のシンボル!
先ほどイースターの名前の由来でもある女神「エオストレ」の話をしましたが、実は彼女の地上での姿を象徴する生き物が「ウサギ」なのです。
繁殖率の高いウサギは、まさに繁栄と多産を意味します。エオストレが新しい生命を宿す春の女神であることを考えれば、関係性がハッキリと見えてきますね。
ということで今でこそイースターのウサギはマーケット向けに商業化されていますが、本来は春の繁栄を表す女神のシンボルだったのです!
卵は生命を意味していた!
その昔、異教徒達は春のお祭りを催し、自然が再び生き返り土地が豊かになる春をお祝いしていたのです。もちろん新しい命を授かるのは植物だけではありません。動物もまたその一つであります。
存在そのものが命の始まりである卵は、生命を与える春の訪れを感じさせます。そしてそのような卵を見つけ出し、人間達が食べることで、また新たな生命力となるのです。
こういった背景からイースター・エッグが登場し、エッグ・ハントなどのイベントが生み出されていると言われています。
シンボルは他にも!
ウサギと卵がよく目立つイースターですが、他にも「巣」や「子羊」などがモチーフになることもあります。生命が誕生する場所や子供の動物は、どれも新たな生命を意味するものとして見られているのですね!
こういった象徴はイースター時期に売られるお菓子などに、様々な形で登場します。春のこの時期にアメリカのスーパーに行くと、様々なイースターシンボルがついたキャンディーを見ること間違いなし!
おわりに
いかがでしたか?
日本人にはあまり馴染みのないイベントでしたが、ふたを開けるとキリスト教徒にとっては一大イベントだったことがお分かり頂けたかと思います!
しかし卵やウサギは元は異教徒の文化から来ているもの。イエス復活とはなんら関係がありません。一般に楽しまれている文化に、こういった歴史的背景を見ることができるのは面白いですね!
【参考文献】
Easter│ReligionFacts
What are the origins of Easter?│GotQuestions.org