somethingとanythingの違いとは?文法とニュアンスを解説!
なんとなく似ている”something”も”anything”。みなさんはこの2つの違いってご存知ですか?
違いを理解していないと、使い分けも難しくなりますよね…。
今回はそんな”something”と”anything”の違いを、文法とニュアンスの側面から解説したいと思います!
something
肯定文だけに使われるとは限らない
学校で英語を習った時「肯定文では”something”を使う」と習いませんでしたか?
肯定文とは否定するでもなく疑問でもない通常の文章を指し、確かにこの言葉はこういった肯定文に多く使われているような気がします。
しかし必ずしもそういうわけではないのです。
以下の例文の通り、否定文や疑問文にも使われます。
That is not something you should be proud of.
(それは自慢すべきことじゃないですよ。)
Will you do something special for her?
(彼女に特別な何かをしてくれますか?)
そのため「肯定文だったら”something”か!」と思い込むのはやめましょう!
特定する・限定するニュアンスがある
“something”を使うと、はっきりではないですが何かを特定しているニュアンスが出ます。ぼんやりとカテゴリーを絞り、その中から何かを限定しているようなイメージです。
例えば飲み物をお願いする時に、何を飲みたいか大体検討がついている場合はこの英語が適切になります。
Will you bring me something hot to drink?
(何か温かい飲み物を持ってきてくれる?)
この場合すでに「温かい」というジャンルに絞ってあるので、どんな飲み物でも構わないというわけではありません。もしかしたら頭の中では紅茶か緑茶などのティーをイメージしているかもしれません。とにかくなんでもいいわけではないのですね!
ということで対象をある程度特定したい場合は、この単語を使いましょう!
意味:何か
“something”は「何か」を表す英語です。
はっきりとは言えない・分からないものの、対象を示したい時に使えますよ!
“hot”、”dangerous”、”cute”など様々な形容詞と一緒に使うケースや…
I wanna eat something spicy tonight.
(今夜は何か辛いものが食べたいな。)
“eat”、”drink”など様々な動詞を不定詞の形で使うケースや…
I’m looking for something to write with.
(何か書けるものを探してるんだ。)
主語と動詞のある独立文を使うケースや…
This is not something everyone has.
(これはみんなが持っている何かじゃないよ。)
単体で使うケースなど…
Something is missing.
(何かがない。)
以上の例文のように、たくさんの場面で使うことができる便利な英語なんです!
anything
否定文や疑問文だけに使われるとは限らない
先ほどと同様、今まで”anything”は「否定文・疑問文で使われる」と覚えてきた人が多いかもしれません。
しかしこれも誤った考え方ですので、注意してください!
“no”や”not”と一緒に使われることは確かに多いですが、それ以外のケースもあります。
I will do anything to make her happy.
(彼女を幸せにするためならなんでもする。)
肯定文でも使われますので、しっかりと覚えておきましょう!
対象の範囲が広い
“something”との大きな違いがこのニュアンスの差かもしれません。
“anything”は基本的に対象が特定されておらず、非常に広い範囲を指している言葉です。
そもそも”any”が不特定のものですので、納得がいきますね!
Anything is fine.
(何でも構わないよ。)
対象を限定せずに「何でもいいよ」と言う時は、「何か」という意味の”something”ではなく、「何でも」という意味で使うことができる”anything”が適切ということになります。
“anything”にはざっくりと3つの意味があるので、早速それぞれを見ていきましょう!
意味①:何でも
先ほども例文で紹介した使い方が、この「何でも」という意味の使い方です。
範囲やジャンルを限定せずに、「本当に何でもいい時」に使うことができますよ!
You can have anything you like.
(好きなものを何でも手に入れていいんだよ。)
この場合「手に入れる」対象は限られた何かではなく、無限大に広がるオプションから選べることになります。
「本当に何でも好きなもの」というわけです。
意味②:何も
“no”、”not”、”never”を付け加えた否定文の中に使う場合は、「何も」という意味になります。
I have not eaten anything today.
(今日は何も食べてないよ。)
I have never done anything wrong.
(間違ったことは絶対にしていない。)
ちなみに”no”+”anything”=”nothing”ですので、このような言い換えも可能です。
I have eaten nothing today.
(今日は何も食べてないよ。)
I have done nothing wrong.
(間違ったことは絶対にしていない。)
文法的には一緒の意味ですが、比較的に”anything”を使った表現をする人が多いですよ!
意味③:何か
3つ目の意味は「何か」です。
ですが”something”も「何か」を表すので、「じゃあ同じ意味?違いはあるの?」と困惑してしまう人もいるかもしれません。
確かに以下の例文を見ると、一見同じ文章に思えてきます。
Would you like something to drink?
(何かお飲みになりたいですか?)
Would you like anything to drink?
(何かお飲みになりたいですか?)
このフレーズはよく飛行機内でキャビンアテンダントさんに聞かれるものですが、どちらでも意味は通じてしまいます。
しかし最初に説明した2単語のニュアンスの違いを思い出してください。
“something”はぼんやりと特定されていて、”anything”は対象の制限なく使うことができましたよね。
この文章でも同じことが言えます。
Would you like something to drink?
(何かお飲みになりたいですか?)
⇒ドリンクメニューの中から、何か飲みたいものはありますか?
選べる範囲を限定
Would you like anything to drink?
(何かお飲みになりたいですか?)
⇒何でも選べますけど、何か飲みたいものはありますか?
選べる範囲が指定されていない
というように、選べる幅の指定があるかないかという違いなのですね。
しかし現実問題、飛行機内で飲めるものは限られています。恐らく”anything”を使うキャビンアテンダントは、”Would you like anything to drink from the drink menu?”という気持ちで言っているのでしょう。
あくまでもメニューの中から無限に選べるというわけで、機内に存在しないアレもコレもが飲めるわけではないのです。
まとめ
結局2つの違いって何?
2つの違いは簡単に要約すると以下の通り!
対象をぼんやりと特定したい時、範囲をある程度指定して「何か」と言いたい時は”something”です。ハッキリとはしていなくても、話している内容のイメージがあれば、この言葉を使いましょう。
自分では特に指定もせず、とにかく「何でも」や「何か」を伝えたい時は”anything”です。対象のイメージも湧かず、本当に何でも構わない時は、この言葉が適切です。そして否定文で使われると「何も」という意味にもなります。
ということで2つの違いは、対象に範囲の指定があるかどうかと言うことができます。大きな違いに感じなくても、会話の中では決定的にニュアンスが異なりますので注意してください!
ネイティブは感覚で使っている
ネイティブスピーカーはこの2つの英語をはっきりと意味の違いを理解して使い分けているというより、ほぼ感覚で言葉を選んでいるように思われます。ニュアンス等はもう染み付いていて、その時しっくりくる言い方を自然に使っているのですね。
そのため「何か」を表す時のように、どちらの言葉を使っても会話が成立するというな現象が起きてしまうわけです。どちらの方が正しいのかという論争は、実はネイティブスピーカーの間でも決着はついていないのです。
しかしニュアンスにはハッキリと違いがあります。その点はしっかりと覚えておきましょう!
おわりに
ほぼ同じものとして認識されがちの2つですが、ニュアンスや用法に違いがあることがお分かり頂けたかと思います。
ネイティブは感覚的に違いを使い分けをしていますが、慣れないうちはどっちを使うか悩んでしまうこともあるかもしれません。
しかし最初は違いをあまり深く考えず、まずは気楽に英語を話してみましょう!とにかく口に出してみることが大切ですので、間違いを恐れずに英会話を楽しんでくださいね!