アメリカでのチップの払い方講座!旅行前に覚えてサッと渡そう!
海外旅行は楽しいですが、日本と違う文化やマナーに戸惑うことも多いのではないでしょうか。特にチップは慣れないと悩んでしまいがち!
今回はそんな「チップの払い方」をアメリカに旅行したと仮定してお話したいと思います。アメリカ渡航前に覚えて、現地でサッと渡せるようにしましょう!
記事の目次
【はじめに】そもそも「チップ」って何?
「強制ではなく、感謝の気持ち」、ですが…
チップはアメリカの法律で定められた制度ではなく、あくまでも個人で行う感謝の気持ちです。受けたサービスに対して「ありがとう」という気持ちをこめてお金を渡します。日本で言う「心づけ」ですね。
しかし強制ではないとはいえ、アメリカ滞在時にチップを支払わなかったり額が少なかったりすると、相手とトラブルが起こる可能性がありますので注意しましょう。「お金は?」や「これじゃ足りないよ。」などと文句をつけられるかもしれません。
というのもアメリカのサービス業で働く人々は、チップを収入の大きな一部として受け取っているため、そもそもの給与が低く設定されています。つまり「もらえる前提」とされているお金が支払われないと、働いている人にとっては大きな痛手というわけです。チップの額はシチュエーションや相手のサービスクオリティで変動するかもしれませんが、アメリカでは必ず払わなければいけないものと覚えておいた方がいいですね。
支払い方法
チップの支払い方法には2種類あります。
現金
カード
カードで支払えることを知らない人が意外に多くいますが、レストランなどでは基本カードでの支払いが便利ですので覚えておいてください!(後ほど詳しく説明します。)
小銭で渡すのは失礼!
基本的にチップはお札で渡すのが普通です。日本人観光客にありがちなのが、アメリカ滞在中の買い物でもらったおつりをかき集めて払うこと。小銭をジャラジャラと渡すのは、非常に失礼な行為に値します。渡す単位の最低は、1ドル札からスタートと覚えておきましょう。
英語表記
チップの英語表記にはいくつかあります。
tip(ティップ)
service charge(サービス・チャージ)
gratuity(グラチュイティ)
“tip”と”service charge”は意味が分かりそうですが、”gratuity”はあまり馴染みのない言葉かもしれません。これは”tip”の少し改まった言い方になります。
レストランのメニューに”Gratuinity Not Included”と書いてあれば、「サービス料は別途です」という意味になりますよ。
【シチュエーション別】飲食店
【タイプ別】支払額
アメリカの飲食店はその種類や形態によってチップの額が変わってきます。
(※以下はアメリカでの目安値です。)
レストラン:合計金額の15〜20%
ビュッフェ/バフェ:合計金額の10〜15%
デリバリー:合計金額の10〜15%
カフェ(簡単なサービスがつく場合):合計金額の10〜15%
バー/クラブ:注文した飲み物1杯につき1〜2ドル
以下のケースでは、支払う必要がありません。
ファストフード
フードコート
【支払い方】レストラン
基本的に担当のサーバーがつくレストランでは、合計金額の15〜20%をチップとして払いましょう。ランチ時は約15%、ディナー時は約20%を支払い、高級レストランでは約25%にするといった習慣がアメリカにはあるので、感覚として覚えておくといいですね。
食事が終わったら、まず自分のテーブルを担当してくれたサーバーに伝票を持ってきてもらいます。(アメリカでは他の店員さんに頼むと困惑されることも。)そして合計金額を確認したら、ざっくりと計算しましょう。最近はスマホなどで簡単にできるので便利ですね。ただし正確に15〜20%にするというより、「合計金額+チップ」の額がキリのいい数字になるようにするのがベターです。
<例>
合計金額:56.50ドル
チップ:9.50ドル
支払い金額:66.00ドル
小数点以下のセント部分は、残さないほうがキレイです!
【現金で支払う場合】
①チップ分も一緒に支払う
合計金額にチップをつけたして、伝票にはさんで置いておきます。この時サーバーに手渡しをする必要はなく、そのままテーブルにお金を残してお店を出てしまって構いません。
②おつりをもらう
ちょうどいい細かいお金がない時は、お金と伝票をサーバーに渡しましょう。そうすればおつりを持ってきてくれますので、そこからチップ分をテーブルに残して去りましょう。
【クレジットカードで支払う場合】
カードを伝票にはさんで置いておくと、そのうちサーバーが気づいて処理をしてくれます。サーバーが持ってきたレシートに、“TIP”(チップ)と”TOTAL”(合計)という空欄があるので、そこに希望の金額を書き入れます。
最後に”SIGNATURE”(署名)にサイン。レシートにはお店用とお客用の2枚が入っているので、お客用のレシートと自分のカードを持ち帰りましょう。
【支払い方】バー/クラブ
注文額の合計を最後に支払うのではなく、注文ごとにその場でお金を払う “Cash On Delivery”(COD)形式のバーやクラブでは、払い方が少し異なります。
ここではドリンク1杯ごとに1〜2ドルをバーテンダーに手渡しするのが普通です。ちなみにこの場合ドリンクの値段は関係なく、安いビールや高いカクテルでも一律1〜2ドルで構いません。
混雑したクラブのバーカウンターでは、ドリンク注文の列などがない場合も。その際は少し多目のチップをしっかり片手に持ち、バーテンダーに声をかけると優先的にドリンクを作ってくれることがありますよ。
【シチュエーション別】車
【タイプ別】支払額
アメリカではドライバーだけでなく、駐車をする際にもチップが必要になることがあります。
(※以下はアメリカでの目安値です。)
タクシー:合計金額の15〜20%
リムジンドライバー:合計金額の15〜20%
バレットパーキング(最後車を受け取る時に支払い):2〜5ドル
洗車:サービスをしてくれる相手に対して1〜3ドル
【支払い方】タクシー
ここでの合計金額は、メーターで表示されている料金のことです。スーツケースなどの大きな荷物をトランクに出し入れしてくれた場合、チップは多目に渡しましょう。
【現金で支払う場合】
ざっくりと15〜20%を計算して足し合わせ、細かくならない程度に渡しましょう。小銭でジャラジャラ渡さず、お札で清算を済ませてくださいね。
【クレジットカードで払う場合】
最近のアメリカのタクシーでは、後部座席にタッチパネルつきのモニターが設置されている場合が多くあります。ニューヨーク市内なら、ほとんどがクレジットカード払いが可能です。カードをモニター横のリーダーに通し、料金を確認。そして自分でチップ額を入力すれば、清算は完了です。
アメリカのタクシードライバーの一部には、英語を話せない外国人の弱みにつけこみ、お金をぼったくりする人もいます。このような場合は動揺せず、毅然とした態度で対応しましょう。
【支払い方】バレットパーキング
バレットパーキングとは、車を自分の代わりに駐車場に入れてもらうサービスのことです。アメリカの都市部などで駐車場が少し離れた場所にある際に、よくバレットパーキングが使われています。ホテルやレストランの前で待機するドライバーにキーを渡し、帰り際にまた車を持ってきてもらいます。お金を払うタイミングは車を最後に受け取る時ですので、最初に何も払う必要はありません。目安は2〜5ドルと覚えておきましょう。
【シチュエーション別】ホテル
【タイプ別】支払額
アメリカ滞在中のホテルでも様々な場面で細かい支払いが必要になります。1ドル札を常に何枚か持っているといいでしょう。
(※以下はアメリカでの目安値です。)
ハウスキーピング:1晩につき1〜2ドル
ベルボーイ/ポーター:運んでもらった荷物1つにつき1〜2ドル
ルームサービス:合計金額の10〜15%(ただしサービス料が込みの場合は必要なし)
【支払い方】ハウスキーピング
清掃は基本的に毎日入ってくれるはずなので、その日ごとにハウスキーピング用のチップが必要です。朝部屋を出る際に、枕元やベッドサイドテーブルにお金を置いておくようにしましょう。昔のアメリカ観光ガイドには「枕の下に入れる」と書いてありますが、その必要はありません。夜戻る頃にはお金は回収され、部屋もキレイになっているはずです。もし毎日清掃に入らない場合は、最終日にまとめて置くようにしましょう。
アメリカでは部屋の見えるところに現金を置いておくと、心付けと誤解され持っていかれるので、貴重品の管理には気をつけましょう!
【支払い方】ベルボーイ/ポーター
荷物を運んでくれたり、案内をしてくれるベルボーイやポーターには、親切にしてもらったごとにお金を渡しましょう。例えば荷物を持ってくれたら、荷物の数ごとに1ドルずつをその場で渡すのが一般的です。また部屋まで案内をしてくれた場合は、任務終了後の去り際に渡しましょう。
どの場合でも“Thank you.”と伝えながら笑顔で手渡しするのがアメリカでのマナーです。
【Q&A】こんな時はどうすればいいの?
Q. サービスが悪かったので、チップを払いたくありません。
A. 日本のサービス業に慣れていると、アメリカの接客を残念に感じることがあります。アメリカではみんながみんな愛想が良かったり、丁寧に対応をしてくれるわけではありません。そんな好ましくない態度であっても、ある程度のお金を置いていくのが賢明です。
例えばレストランであれば、少なめの額を払いマネージャーにその理由を伝えましょう。何が不満だったかを告げずに少ないお金を渡すのは、結果的に両者とも不愉快な気持ちで終わります。
一切チップを残さないという行為は避けましょう。
Q. サーバーが日本人だったのですが、チップはいりますか?
A. いくら相手が日本人でも、アメリカ国内でサービス業に従事していた場合は、もちろん心付けをお忘れなく。その他のアメリカ人と同じような給与体型で仕事をしていますので、国籍に関係なく支払う必要があります。
Q. 細かいお金がなく、ちょうどいい額が払えません。
A. その場合はおつりをもらうようにしましょう。アメリカではおつりをお願いすることは恥ずかしいことではなく、よくあるコミュニケーションなので問題ありません。
例えばタクシーで17ドルを払いたい時、20ドルを渡して”May I have 3?”(3ドルもらっていいですか?)と言えば、希望通りにしてくれるはずです。
Q. レジに”Tips”と書かれた容器が置いてある店はどうするんですか?
A. こういった容器があるのは、カフェやアイスクリーム店などの比較的カジュアルなお店です。払うかどうかはお客さんの自由ですので、必須ではありません。好意としておつりの小銭を入れることが多くありますが、この場合の小銭は失礼にはなりませんので安心してください。
【おわりに】チップは感謝の気持ち!
アメリカに行くとチップに馴染みがないため、困惑してしまうかもしれません。しかし、冒頭で述べたようにこれは制度ではなく「感謝の気持ち」。基本的な相場を覚え、ありがとうの心を常に忘れず笑顔で渡してあげれば問題ありません!安心してアメリカでの滞在を楽しんでくださいね!