アメリカ英語とイギリス英語を比較!知っておきたいこと4つ!
いまや多くの国々で話されている英語ですが、「英語」と言えば「アメリカ」「イギリス」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?同じ「英語」でもアメリカ英語とイギリス英語には様々な違いがあるんです!
今回は「アメリカ英語」と「イギリス英語」の違いを4つのポイントに分けて紹介します!
単語
同じものなのに、アメリカ英語とイギリス英語では違った単語で表現されるものがたくさんあります!その一部をご紹介!
アパート
【アメリカ】apartment
【イギリス】flat
日本で言う「アパート」はアメリカ英語から来てるものなんですね。だからといって、英語で”apart”と言っても通じません。英語の”apart”は「離れて」という意味です。
エレベーター
【アメリカ】elevator
【イギリス】lift
“lift”は「持ち上げる」などの意味がある動詞ですが、イギリス英語では「エレベーター」を指す言葉として使われます。
(デパートなどの)1階
【アメリカ】first floor
【イギリス】ground floor
アメリカ英語の数え方は日本語の感覚で考えられるのでわかりやすいですね。
イギリス英語で”first floor”というと、「2階」のことを指すので注意しましょう!それ以上の階は、「3階」は”second floor”「4階」は”third floor”・・・というようになります。
ガソリン
【アメリカ】gasoline
【イギリス】petrol
ちなみに「ガソリンスタンド」というのは和製英語で、アメリカでは”gas station”イギリスでは”petrol station”という風に表現します。
クッキー
【アメリカ】cookie
【イギリス】biscuit
日本語では作り方や材料の違いで「クッキー」と「ビスケット」を区別していますね。
アメリカでは”cookie”というと、全ての「クッキー」を指すことができます。”biscuit”はスコーンのようなパンの食べ物を表現します。
イギリスでは全ての「クッキー」に対して”biscuit”という単語を使います。”cookie”はちょっと柔らかい触感のアメリカ風の「クッキー」のことです。
少々わかりずらいですが、こんな違いがあるということを知っておきましょう。
消しゴム
【アメリカ】eraser
【イギリス】rubber
ちなみに、アメリカで”rubber”は「避妊具」のことを指します。気をつけましょう!
高速道路
【アメリカ】highway
【イギリス】carriage way
アメリカ英語の”highway”は馴染みのある方も多いかもしれませんね。イギリス英語で使われている”carriage”には「運搬」「輸送」などの意味があります。
コンセント
【アメリカ】outlet
【イギリス】power point
「コンセント」は和製英語。ちなみに英語の”concent”は「合意」「一致」などの意味です。
コンロ
【アメリカ】stove
【イギリス】cooker
アメリカでもイギリスでも「コンロ」っては言いません。というのも実は「コンロ」って外来語ではなくて、れっきとした日本語なんです!
紙幣
【アメリカ】bill
【イギリス】note
ちなみにイギリスで”bill”を使うと、レストランなどでの伝票を指します。
ズボン
【アメリカ】pants
【イギリス】trousers
イギリスでは”pants”は「男性用の下着」という意味合いが強いです。地域によっては「ズボン」という意味で通じるところもありますが、”trousers”を使う方が間違いないですね。
フライドポテト
【アメリカ】french fries
【イギリス】chips
イギリス料理”Fish and Chips”の”chips”はフライドポテトのこと。アメリカの方に”chips”と言うと、「ポテトチップス」を思い浮かべるはずです。
ポテトチップス
【アメリカ】chips
【イギリス】crisps
「フライドポテト」の部分でも書いた通り、イギリスで「ポテトチップス」が欲しくて”chips”と言うと「フライドポテト」だと思われてしまうので気をつけて下さいね。
茄子
【アメリカ】eggplant
【イギリス】aubergine
ここまでもアメリカとイギリスで、かなりの違いがありましたが、「茄子」を表す言葉も全く別物ですね。”aubergine”はフランス語由来だという説があります。
薬局
【アメリカ】pharmacy
【イギリス】chemist’s
イギリスではお店を表現するときに「職業名+’s」の形を取ることがあります。
“chemist’s”以外だと
baker’s (パン屋)
florist’s(花屋)
などがあります。
(順番待ちの)列
【アメリカ】line
【イギリス】queue
イギリスでは”queue” という、あまり日本ではなじみのない言葉が使われます。発音は「キュー」[kjúː]です。
スペル
同じ単語で発音も一緒なのに、スペルに違いがあるというケースも多いです。どんなものがあるのか、いくつかの例を紹介します!
-or/-our
①態度
【アメリカ】behavior
【イギリス】behaviour
②色
【アメリカ】color
【イギリス】colour
③お気に入り
【アメリカ】favorite
【イギリス】favourite
④味
【アメリカ】flavor
【イギリス】flavour
➄名誉
【アメリカ】honor
【イギリス】honour
アメリカ英語では”or”で書くものが、イギリス英語では”our”となる単語があります。
-ze/-se
①分析する
【アメリカ】analyze
【イギリス】analyse
②宣伝する
【アメリカ】advertize
【イギリス】advertise
③謝る
【アメリカ】apolpogize
【イギリス】apologise
④組織する
【アメリカ】organaize
【イギリス】organaize/organaise
➄認識する
【アメリカ】recognize
【イギリス】recognize/recognise
アメリカ英語では”ze”と終わるスペルが、イギリス英語では”se”となるものがあります。ただし、④と⑤の例の単語のように、イギリス英語ではどちらの語尾も使われます。
-er/-re
①中心
【アメリカ】center
【イギリス】centre
②メートル
【アメリカ】meter
【イギリス】metre
③劇場
【アメリカ】theater
【イギリス】theatre
アメリカ英語では語尾が”er”となるものが、イギリス英語では逆になり”re”で終わるものがあります。
-se/ce
①免許
【アメリカ】license
【イギリス】licence
②防御
【アメリカ】defense
【イギリス】defence
③攻撃
【アメリカ】offense
【イギリス】offence
こちらは語尾がアメリカでは”se”とイギリスでは”ce”という違いがあります。もちろん発音は同じです。
-og/-ogue
①カタログ
【アメリカ】catalog
【イギリス】catalogue
②対話
【アメリカ】dialog
【イギリス】dialogue
同じ[g]「グ」という音なのに、イギリス英語では”gue”と書くんです。不思議ですね!
発音
発音の仕方にも違いがあります。今回は2つの音に注目してみます!
「r」の発音
この単語、みなさんはどんな風に発音しますか?
here
アメリカ英語とイギリス英語では、この”here”にも含まれる「r」の発音の仕方に違いがあるんです。
アメリカ英語では「r」の音をしっかり発音し、イギリス英語では先頭の「r」以外の音は発音されます。
【アメリカ】here [híɚ] 「ヒヤー」
【イギリス】here [híə]「ヒァー」
「t」の発音
アメリカ英語では母音の間にある「t」の音を「ダ」「ラ」のように発音する傾向があります。イギリス英語ではハッキリと「t」の音を発音します。
代表的な例はこちら。
【アメリカ】water [wˈɔːṭɚ] 「ウォーラー」
【イギリス】water [wˈɔːtə] 「ウォーター」
他にはアメリカ英語では「t」を発音せず、イギリス英語では「t」をハッキリ発音するという例もあります。
【アメリカ】often [ˈɔːf(ə)n] 「オッフン」
【イギリス】often [ˈɔːft(ə)n] 「オフトゥン」
ただし、この「t」の音に関しては注意点もあって、イギリス英語では「t」の音が抜けたり詰まったりする発音の仕方をする場合もあります。
例えば、“better”の「t」の音が落ちて「ベッアー」のようになります。(もちろん、「t」を落とさない「ベター」という発音もありますよ!)
文法
同じ英語なのに文法のルールにも違いがあるアメリカ英語とイギリス英語。どんなものがあるのか見ていきましょう!
過去形と現在完了形
過去形は「過去に起きたこと」現在完了形は「過去に起きたことが今現在にも続いている・影響があること」を表現するときに使います。
数分前に食事を終えて、お腹パンパン!「食べすぎちゃった!」というとき、それぞれ次のように言います。
【アメリカ】I ate too much.
【イギリス】I have eaten too much.
「あれ?スマホがない!見かけなかった?」と聞くとき。
【アメリカ】I can’t find my smartphone. Did you see it?
【イギリス】I can’t find my smartphone. Have you seen it?
集合名詞
集合名詞とは”family” “team”など複数の人が集まって成り立つグループや集団を指す言葉です。また、スポーツのチーム名などもこの集合名詞の扱いになります。
では、その集合名詞を使うときの違いは何なのか?
アメリカ英語ではその集団を1つのまとまりとして考えて「単数」として扱い、イギリス英語では同様に「単数」扱いもしますし、その集団の中にいる人々をイメージして「複数」としても扱います。
例えば「どちらのチームが勝ってるの?」と聞きたいとき、それぞれ以下のように表現します。
【アメリカ】Which team is winning?
【イギリス】Which team is/are winning?
“have”と”take”
日常の生活である「シャワーを浴びる」「お風呂に入る」というときに使う動詞にも違いがあるんです。アメリカ英語では”take”、イギリス英語では”have”を使います。
【アメリカ】My father is taking a shower.
【イギリス】My father is having a shower.
(父はシャワーを浴びています。)
“have”と”have got”
次の日本語を英語で表現するとき、みなさんはどのように表現しますか?
「私には兄がいます」
おそらく、多くの人が”have”を使ってこのように考えたと思います。
I have an older brother.
もちろんこれでOKですが、実はこの表現の仕方はアメリカ英語のもので、イギリス英語では以下のような表現をします。
I have got an older brother.
そして、これを「お兄さんはいますか?」という疑問文にすると以下のようになります。
【アメリカ】Do you have any older brothers?
【イギリス】Have you got any older brothers?
“need to”
“need to”の意味は「○○する必要がある」です。これはアメリカ英語でもイギリス英語でも同じです。ですが、これを否定形にするときに違いがあるんです。
アメリカ英語では”don’t”や”doesn’t”をつけて「○○する必要はないよ。」と表現しますが、イギリス英語ではこの言い方の他に”needn’t”を使います。
例えば「彼らは制服を着る必要がありません。」と言いたい場合、このように言えます。
【アメリカ】They don’t need to wear a school uniform.
【イギリス】They don’t need to/needn’t wear a school uniform.
“shall”
「○○しようと思ってる」を表現するときに使われるに”will”という言葉があります。
イギリス英語では、この“will”の代わりに”shall”を使うことができます。アメリカ英語ではこの使い方をすることは稀です。
I shall/will go to the library tomorrow.
(明日図書館に行こうと思ってます。)
さらに、手伝いなどを申し出るときに「○○しましょうか?」の意味で使われる”shall”ですが、アメリカ英語では”should”のほうが好まれます。
【アメリカ】Should I ask him to come with us?
【イギリス】Shall I ask him to come with us?
(彼に一緒に行ってくれるようにお願いしましょうか?)
「一緒に○○しませんか?」と誘ったりするニュアンスのときには、アメリカ英語でも”shall”を使います。
おわりに
今回はアメリカ英語とイギリス英語の違いを紹介しました。いかがでしたか?多くの違いに驚かれた方もいるかもしれませんね。
それでもここで紹介したのはあくまでも一部です。全て覚えるのは大変だと思いますし、あまり神経質になりすぎる必要はないでしょう。
ただ、こういった違いがあるということを知っているだけでもコミュニケーションの取り方やその国の人たちと接するときの心構えが違ってくるはずです。
他にどんな違いがあるのか、ぜひ調べてみて下さいね!