「年配」って英語でなんていうの?高齢化社会で使える表現14選!
日本は超高齢化社会になり、周りを見渡せば、お年寄りが目につくようになりました。「年配」の人に対して、日本語で話す時に気をつけたいポイントは、「相手に失礼にならないようにいいたい!」ことだと思います。
同じように、英語でも、「年配」の人を指し て、”old people” と言ったら失礼になりますよね。では、なんと表現すれば良いのでしょうか?
今回は、「年配」と英語でいう実際よく使われる表現と、その他状況に合わせて使いた い「年配」表現をご紹介いたします。
よく使われる「年配」の3つの表現
She is an elderly woman.
年配の女性です。
「年齢が上である」という事実だけに焦点を当てている表現です。自分を基準として「自分より年上」の人を指して使う、一般的によく使われるフレーズになります。
A: Have you met your new neighbour?
(もう、ご近所さんに会った?)
B: Yes, she is an elderly woman but seems to be quite active.
(会ったよ。ご年配の女性だけど、とても活動的みたい。)
They are senior citizens.
高齢者です。
「年配」の人を「高齢者」ともいいますね。 “senior citizens” も “elderly” もどちらも好感度の高い、英語圏で一般的に受け入れられているフレーズです。
A: How was your train ride today?
(今日の電車はどうだった?)
B: It was packed. There were a lot of senior citizens going to Narita Temple.
(すごく混んでた。成田山にいく高齢者の人がたくさんいたよ。)
There was an older man.
年配者がいました。
ここで気をつけていただきたいのは、”old” としないこと。誰かに対して”old ”、「老けている」 というのは失礼になります。その人が「老けている」と断言しているようなものですから。
自分を基準にして、比較級の ”older”「自分より年上である」という場合は、とてもよく使われるので、覚えておきましょう。
A: Why are you late?
(なんで遅れたの?)
B: There was an older man in front of me at the store who was moving so slowly.
(お店で、年配の方が前にいて進むのが遅かったんだよ。)
その他の「年配」の表現
He is getting on in years.
彼は年をとっている。
“get on”はいろいろな意味がありますが、ここでは”make progress” の「進む」という意味で使われています。人生を進んできた「年配」の人というイメージです。
A: How is your dad doing?
(お父さんどうしてる?)
B: He is getting on in years but still enjoys going to Disneyland.
(年をとってきているけど、まだディズニーランドに行くの楽しんでいるよ。)
She is at the ripe old age of 92.
彼女は92歳の年配者です。
”ripe”は「熟した」という意味なので、人の場合は、熟年ですね。完全に成熟した感じのイメージになります。
A: My grandma is still driving at the ripe old age of 92.
(うちの祖母は、92歳の年だけど、まだ運転してるよ。)
B: Wow, she must be doing really well.
(へえ、まだすごく元気なんだね。)
There was a pensioner.
年金暮らしの方。
厳密に言うと「年配」は「自分より年上」という意味なので、対象が「年金暮らし」の年齢ではないかもしれません。ただ、 ”pensioner”を使えば、60歳代の人を指して言い換えることができます。
A: Did you enjoy visiting the museum today?
(美術館は楽しかった?)
B: Yeah, that was great. There was a pensioner working there who really made the art come alive.
(うん、すごく楽しかったよ。年金暮らしのガイドがいて、作品のことを詳しく説明して くれたから、本当によかった。)
具体的な年を意識した「年配」の表現
ここで、少し具体的に「年配」の方の年齢を話題にしたい時に使う、 役立つ英語フレーズをご紹介します。
She is pushing ninety.
彼女は90歳近いです。
「push」は押すという意味ですね。90を押しているということは、90には到達していないけれど、下から押し上げている感じで、90に近いということになります。
A: How old is your aunt now?
(おばさんは今、何歳?)
B: I’m not sure, but I imagine she is pushing ninety.
(はっきりわからないけど、たぶん、90歳近いと思うよ。)
She is in her nineties.
彼女は90代だよ。
「in」は「~の中に」という前置詞。人の年齢が90〜99の数の中にいるというイメージです。
A: Did you hear about our elementary school teacher, Mrs. Yamada?
(小学校の時の山田先生, 最近どうしているか知っている?)
B: No, what is it?
(知らないけど、何?)
A: She is volunteering at our school once a week to read to children.
(小学校に週に一回、読み聞かせに行ってるよ。)
B: That’s great. She is in her nineties, isn’t she?
(すごいよね。先生は、90代でしょう?)
使い方には気をつけたい「年配」の表現
She is losing her marbles.
年でぼけてきています。
“marbles”は子供が遊ぶ「ビー玉」の意味。ビー玉を失い始めるとは、比喩的な表現で、「心の健康を失う」、「思考能力が衰え、記憶力が低下する」という意味です。あまりお付き合い のない他人、ご年配の方に対して直接使うのは失礼になります。
よく知っている身内のおじいちゃんが年でボケてきているのに気付いた時は、家族の会話の中でこの表現を使っても、無礼になることはありません。
A: I think my mom is losing her marbles.
(お母さんのことだけど、ちょっとボケてきていると思うんだよね。)
B: Why do you say that?
(何でそう思うの?)
A: She is forgetting things she never forgot before.
(だって、今まで絶対忘れなかったことを忘れてきてるよ。)
He is going senile.
彼は老いてボケています。
英語の形容詞 “senile” は「老人性痴ほう、ぼけた」という意味。 年とともにボケるのは、現実的に起こることなので、軽蔑にはなりませんが、直接本人いうのはNGですね。
ただ関わる周りの人がそのボケの症状に気付き、日常会話で話すということはあるので覚えておきましょう。
A: I heard that your grandpa stopped driving.
(おじいさん、運転やめたんだってね。)
B: Actually, he is going senile, so I took away his car keys.
(本当はボケてきたから、私が鍵をとりあげたの。)
I’m over the hill.
もう年だ。
人は年をとると、バリバリ働いていた頃に比べて、キャリアのパフォーマンスは落ちてきますよね。仕事で活躍してきた人に対して、”over the hill” は、失礼になるので、直接言うのはやめましょう。
ただ冗談で、親しい関係の友人やファミリーの中では使うことは問題ないです。
A: Happy birthday! You’re forty.
(40歳の誕生日おめでとう!)
B: That’s right. You’d better not say I’m over the hill.
(ありがとう。でもね、もう年だね、なんて言わないでね。)
He is getting a bit long in the tooth.
かれは年老いている。
もともとは年取った馬のことを指していて、馬が年を取ると歯茎が下がって、歯が長く見 えるという語源から来ています。
年をとっても、昔の感覚でバリバリやろうとする人がいますよね。そんな時、「もう若くないのだから、できないよ」というニュアンスをひめた「年配」フレーズです。
年を取りすぎて、その仕事を任せることはできないという意味があります。 任せられないということは、「役に立たない」というメッセージを送ることになるので、 使い方には十分気をつけましょう。こちらも親しい間柄の会話のみに使うようにしてください。
A: Are you interested in seeing the new movie?
(新しく出たあの映画を見に行かない?)
B: Not really. The lead actor is getting a bit long in the tooth for an action role.
(えぇ、遠慮しておくよ。俳優が年だから、アクションには向いていないと思うし。)
We had an old hag.
いじわる老婆がきた。
“hag” は「馬」という意味。馬を使っているので、比喩表現ですが、馬は女の人にたとえられて、物語に出てくる、意地悪そうな、しわくちゃな老婆や魔女のようなイメージの年をとった女性に使う表現です。
親しい友達やファミリーの会話の時だけに使いましょう。
A: Work was really hard today.
(今日の仕事は、すごくきつかったよ。)
B: Why is that?
(何で?)
A:We had an old hag come in and she complained about everything.
(意地悪婆さんが来て、とことんイチャモンつけていったから。)
He is an old fart.
彼は加齢臭くさいじいさんです。
”fart”はオナラの意味。加齢臭が漂った老人と言いたい時のフレーズです。こちらも親しい友達やファミリーの間だけで使いましょう。
A: Does your grandpa still have his sense of humour?
(おじいさん、ユーモアある?)
B: Yes, he likes to tell people that he is an old fart and sometimes smells like one too.
(あるよ、だって自分のこと、年寄りで、ちょっと臭いんだ、なんて言ってみんなのこと 笑わせるのがすきなんだ。)
おわりに
いかがでしたか?「年配」の英語表現をどのように使えばよいのかご理解していただけたと思います。
「いつまでも若くありたい」という願望は個人差があるにせよ、みなさんお持ちのはず。本人に必要以上に年を意識させるのは、マナー違反ですね。相手の様子を見ながら、適切なフレーズを使いこなしていきましょう。