「talk with」と「talk to」の違い!使い方を例文で分かりやすく解説!
「○○と話す」を意味する英語の”talk with”と”talk to”という2つの表現。
これらの言葉の微妙なニュアンスの違いが分からない!という人も多いですよね。
くだけたやりとりでは、そこまで違いを気にする必要はないという人もいます。ですが、場合によっては、しっかりとその使い分けをしなくてはいけません。
今回は、きちんと使い分けができるように、”talk with”と”talk to”の違いを解説します!
「talk with」と「talk to」の違い
2つの表現を例文で確認していく前に、大まかにイメージの違いを確認しておきましょう。
“talk with” ⇒ お互いが話をしているイメージ
“talk to” ⇒ どちらか一方が話をしているイメージ
同じ”talk”という言葉を使っているのに、あとに来る前置詞が違うだけで意味が変わりますね。
それでは、例文で確認しながら詳しい使い方を見ていきましょう!
「talk with」について
「互いに話し合う」という意味
“talk with”を使うと、「お互いに話をしている」という意味になります。こんな感じのイメージですね。
A (話し手・聞き手)⇔ B(話し手・聞き手)
AさんもBさんのどちらも、話し手になることもあれば聞き手になることもあるという状況ですね。会話を楽しんでいたり、語り合ったり、意見を交換したりしている。そんなときには”talk with”を使います。
いくつか”talk with”を使った例文を見ていきながら、そのニュアンスを感じ取っていきましょう。
Mr. Thompson talked with Lucy about her job performance.
(トンプソンさんはルーシーと彼女の仕事でのパフォーマンスについて話をしました。)
この文からは、トンプソンさんとルーシーが彼女(=ルーシー)の仕事でのパフォーマンスについて話し合っているという状況がイメージされます。
お互いに意見や考えを交換している感じですね。
I bumped into him on the street and talked with him for a few minutes.
(彼と道で偶然会って、少し話をしたんです。)
この場合、何かについて話しあったというよりも、お互いの近況などを報告し合いながら会話したというニュアンスです。「最近こうなんだよ」とお互いに自分のことを伝えている絵が浮かびます。
Can I talk with you now?
(今、あなたと話をしてもいいですか?)
この文は質問文ですが、”talk with”を使って、相手と何か話し合いをすることを望んでいる気持ちが伝えています。
“with”は「つながり」
ここで、”talk with”で使われている前置詞の”with”について確認しておきましょう。
“with”が持つイメージというのは「つながり」です。2つの人や物がつながれている感じです。
なので、その”with”の持つイメージから、”talk with”は「話をする2人がつながっている」つまり「互いに話し合う」ということを意味する表現になるんですね。
“with”について詳しく知りたいという方は、以下の記事を読んでみて下さい!
前置詞「with」の使い方を覚える!所有・理由・道具を表す英語を!
「talk to」について
「一方的に話しかける」という意味
“talk to”を使うと、「話し手が一方的に聞き手に話しかける」という意味になります。矢印で表現すると、こんな感じのイメージ。
A(話し手)⇒ B(聞き手)
聞き手であるBさんは、頷いたり相槌を打ったりしているかもしれませんが、Aさんの話をただ聞いてるだけという状況です。場合によっては、聞き手はその話を聞きたいと思っていなかったり、不快な気持ちになったり、ということも考えられます。
Mr. Thompson talked to Lucy about her job performance.
(トンプソンさんはルーシーに彼女の仕事でのパフォーマンスについて話をした。)
トンプソンさんが彼女(=ルーシー)の仕事について、ルーシーに一方的に話をしているという状況です。
この文だけではその内容までは判断できませんが、「君は良くやってるね」という良い評価を与えているのかもしれないし、「最近の仕事ぶりはなんだね?」という感じでお説教をしているという可能性もあります。
いずれにせよ、ルーシーから何か意見を言ったりはせずに、トンプソンさんの話をただ聞いているということです。”with”を使ったときと、だいぶ印象が違いますね。
Can I talk to you now?
(今、あなたに話をしていいですか?)
こちらは質問文で”talk to”を使っている例です。話し合うというよりも、相手に対して言いたいことや伝えたいことがあるという感じです。
「互いに話し合う」という意味
この”talk to”は、実は”talk with”と同じように「互いに話し合う」という意味もあります。ただし、“talk to”の方がややくだけた印象になるんです。
日常会話のくだけたやりとりでは、その状況や会話の流れで「互いに話し合う」ということが明らかであれば”talk to”を使うことができます。
とはいえ、基本的に”talk to”は上で説明した通り「一方的に話しかける」という意味合いが強いです。そのため、ハッキリと「互いに話し合う」というニュアンスで伝えたければ、”talk with”を使っておく方がいいですね。
“to”は「一方への矢印」
“talk to”で使われている前置詞の”to”のイメージは、「一方への矢印」です。もう少し細かく言うと、その出た矢印はきちんと一方へ辿り着いています。
なので、「○○へ行く」など目的地を表現したりするときに使われるんですね。
ただ、”to”そのものには、”with”のような「つながり」や行ったり来たりというような「やりとり」の意味合いはありません。一方に着いたら着いたまま、行ったら行きっぱなしということです。
この”talk to”で言うと、「ある人からの話が一方に辿り着いたまま」というイメージになり、つまり「一方的に話しかける」という意味になります。
“to”については、以下の記事で詳しく説明しています。参考に目を通してみて下さいね。
英語「to」の使い方!前置詞・不定詞での表現をマスターする!
おわりに
今回は、英語の”talk to”と”talk with”の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
同じ”talk”という動詞を使っていても、どの前置詞を使うかで意味合いに違いが生まれるなんて不思議ですよね。
場面や話す相手によって適切に使い分けられるように、これらの言葉の違いや使い方に慣れておきましょう。