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アメリカの感謝祭を解説!サンクスギビングデーってどんな日なの?

 

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最近の日本では10月31日のハロウィンが終わると、街の中が徐々にクリスマスに向けて装いを変えていきますよね。しかしこの時期のアメリカではクリスマスの前にもう一つ大切なイベントがあるのです。

それが「感謝祭」!英語ではThanksgiving Day(サンクスギビングデー)と呼ばれますが、みなさんは一体この日がどんなものかご存知でしょうか?名前だけ聞いたことがあるけど、実際にどんな意味があって何をするかはあまり知られていないかもしれません。

ということで、今回はそんな「アメリカの感謝祭」を徹底解説したいと思います!



感謝祭って何?

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日にち

アメリカの感謝祭は毎年11月の第4木曜日に行われるため、年によって日にちは変わってきます。

また感謝祭はアメリカでは祝日と設定されているため、政府機関、職場、学校など全てがお休みに!そのため前日の水曜日や翌日金曜日をお休みとしてしまうケースがあり、多くの人が週末を含めて連休となるのです。

起源

アメリカの感謝祭の起源には諸説ありますが、多くの人は1621年を始まりと考えています。

1620年、メイフラワー号に乗ってイギリスからアメリカに移住してきたピルグリムたち。冬の始まりごろに到着したピルグリムは、アメリカでの食料確保に大変苦労をしました。

春が訪れたころ、ピルグリムたちは狩りに行ったり大地を耕そうとしますがうまくいきません。そんな時、先住民のネイティブアメリカンが知恵を貸してくれたのです。

彼らの助けにより、ピルグリムたちは次の冬を越せるだけの収穫を秋に得ることができました。恩人であるネイティブアメリカンを招き、この収穫を神に感謝する宴を催して、七面鳥やカボチャを食べてお祝いをしたと言われています。それが現在も続く感謝祭の始まりとされているんですね。


感謝祭では何をするの?

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家族の日

アメリカの感謝祭は家族全員で過ごす日と認識されているので、遠くに住む親戚などを含めた大勢の人が水曜日の夜から一斉に故郷に帰ります。そのため道路や交通機関が混み合い、まるで日本のお盆やお正月のような状況になるのです。

木曜日当日は、感謝祭にちなんだ料理などを家族で囲み、おしゃべりを楽しみながらワイワイと食事を楽しむのが一般的です。大皿料理を家族でシェアし合うというのが定番スタイルなんですよ。

感謝祭のディナーを主催する家に決まり等はありませんが、家族内で一番年上の家庭で行われることが多いようです。そのためおじいちゃん・おばあちゃんのお家にみんな集まるケースがよく聞かれます。

また主催をする家庭は料理の準備等で負担が大きいことから、「今年は○○の家で」というようにローテションでやっている場合もあるようです。

木曜日はどこのお店も閉まっているという理由もありますが、感謝祭で集まると家に残って家族同士でできるアクティビティをするのが定番になっています。忙しい毎日を忘れ、今ある幸せを家族と共有する貴重な日なのですね!

食べ物

アメリカの感謝祭でよく食べられる有名な食べ物がこちら!

<七面鳥(ターキー)>
恐らく一番有名な料理が七面鳥を丸ごと焼いたロースト・ターキー、そして七面鳥の中に野菜などの詰め物をいれたロースト・スタッフト・ターキーでしょう。日本のオーブンサイズではとても焼けないような、大きくこんがり焼けたターキーが印象的!

<スタッフィング(stuffing)>
場合によってドレッシング(dressing)と呼ばれることもありますが、液体状のものではありません。本来はターキーの中に詰めるものとしての「スタッフィング」でしたが、ターキーの内蔵を取り除く手間がかかるため、アメリカではシンプルなローストターキーとスタッフィングを別々の料理として出す家庭が多くなりました。

スタッフィングは角切りにしたパンを様々な野菜などと一緒に和えて焼かれたものです。家庭によって様々なレシピがあるため、興味のある人は調べてみてください!

<クランベリーソース>
ターキーやスタッフィングはソースをかけて食べるのが定番です。そのソースの中でも有名なのが、クランベリーで作った甘いもの。料理に甘いものが合うのかな?と思う日本人も多いですが、アメリカの中では人気の味です。

<グレイビーソース>
もう一つソースで人気なのがロースト・ターキーの出汁から作るグレイビーソース。ターキーから作っているだけあって、非常によくマッチした味です。しかし最近のアメリカではこういったソースも作るのが手間なため、市販の物を買ってきてしまう家庭が多いですよ。

<ヤム(yam)>
ヤムとは本来ヤマノイモ属の芋を指す言葉なのですが、アメリカでは「サツマイモ」を表す言葉として使われます。アメリカのサツマイモは中身が鮮やかなオレンジ色をしており、水分が多い品種として知られています。

シンプルに茹で上げたり、マッシュにしたりする食べ方が一般的です。デザートにするなら、パイやマシュマロを合わせるなどの食べ方が多いでしょう。

<温野菜>
その他様々な種類の野菜を蒸して食べます。人参、グリーンビーンズ、ズッキーニ、ポテトなどが有名です。ターキーの付け合わせという感覚で出されることが多いですよ!

<パンプキンパイ>
デザートはこの時期旬のカボチャを使って作られるパンプキンパイを食べるアメリカ人が圧倒的に多いでしょう。濃厚でしっとりとリッチな舌触りのパイが一般的です。

スポーツ

感謝祭の日に集まったアメリカ人は、家でアメリカンフットボールの観賞を楽しみます。視聴者の多くは男性で、女性が食事の準備をしている間に居間に集まってテレビ中継を見るといった光景が多く見られます。

NFLも大学チームも高校チームもアマチュアチームも、古くからこの感謝祭の週末にかけてゲームを行うため、アメリカン`フットボールの中では非常に重要な時期として認識されています。

ショッピング

木曜日の感謝祭当日は基本的にどこのお店もお休みです。しかし翌日の金曜日になると、いきなり商戦期になります。というのも約1ヶ月後にはギフトシーズンのクリスマスを控えており、この感謝祭翌日はお客を集めるうってつけの時期になるのです。

そのためどこのお店も金曜日に1年で一番大きなセールを開催します。ブラック・フライデー(Black Friday)と呼ばれるこの日は、お店側もお客側も意気込みが凄いものです。お店によっては明け方からお客さんが列を作って待機をし、オープンと同時にお店に流れ込みます。押し合いや取り合いなどでケガ人が出るほどの激しさになることも…。

とにかく物が売れる日なので、セールと言えどもかなりの黒字を見込めるとされています。そのため「ブラック」・フライデーと言われているのですね!

近年では感謝祭の次の月曜日をサイバー・マンデー(Cyber Monday)と呼ぶことが定着しました。これは実店舗ではなく、オンラインストアで行われる大きなセールで、休暇明けに家やオフィスに戻ったお客さんたちがネット上でお買い物をすることが多いことから始まったトレンドです。

パレード

アメリカの大きな都市や街では感謝祭のパレードが開催されることがあります。その中でもとりわけ有名なのが大手デパート店であるMacy’s(メイシーズ)が行うニューヨークシティでのパレードです。これは毎年テレビ中継が入るほどのビッグイベントなんですよ!

コスチュームを身にまとった人もそうですが、何よりも目立つのが大きな風船型のマスコット。ミッキーやピカチュウなど有名なキャラクターの大きな風船がヘリウムガスによって空中に浮かび、街の中をパレードしていきます。


感謝祭の実態はどうなってるの?

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国民みんなが祝うわけではない

盛大に行われる感謝祭ですが、アメリカ国民全体が祝っているわけではありません。例えば多くのネイティブアメリカンは開拓者によって立ち退かさせられたという事実から、感謝祭に反対をしています。

いくら感謝祭の起源が「恩人である先住民を招待した宴」から始まったとはいえ、結果的にひどい仕打ちをうけたネイティブアメリカンにとってはお祝いできないイベントなのかもしれません。

家族のイベントが嫌な人もいる

実はステキな家族の日と受け取られるアメリカの感謝祭ですが、中には「またこの時期が来てしまった…」と憂鬱になる人もいます。

仲がいい家族ならいいですが、喧嘩が絶えない家庭だと変な口論に発展したりと大変です。またあまり親しくない親戚から「あれはどうなったの」、「これはどうなったの」と質問攻めにあったり、いい年をして独り身だと「誰かいい人はいないの」などと嫌な気分になることも。場合によって感謝祭の日が婚約者などを親戚に初めて紹介する機会となり、「気に入ってもらえるかな」という緊張のシーンでもあります。

日本のお盆やお正月の家族の集まりを思い出せば、アメリカ人の苦悩も少し共感できる人もいるかもしれませんね。

政治の話はしてはいけない

感謝祭で集まった時は、家族と言えども触れてはいけないトピックがあります。それが「政治」の話。アメリカでは日本以上に一般人が政治への関心が高く、場合によっては家族間で考えが異なることもあります。

せっかく久しぶりに集まったのに、政治の話題で「いや、それはどうかと思うよ」などというように口論になっては大変です。側で聞いている他の家族もヒヤヒヤしてしまいます。

そのため感謝祭では政治の話題は控えるようにしましょう。

女性は忙しくなる

感謝祭は女性にとって負担だと考える人がいます。男女平等が叫ばれている現代ですが、やはり料理をするのは女性が多いという実態の中、家族全員に豪華な食事を準備しなくてはいけない任務は確かに大変です。

特に手伝い方の分からない男性はテレビの前に座ってアメリカンフットボールを観賞するため、女性の仕事量はなかなか減りません。食事を提供した後も、大量の後片付けがあるため、休む暇がないというのも事実です。

そんな疲れている状況で、食事中に家族が政治の話題で不穏な空気を出し始めたら…ため息が止まりません。

美味しくない手料理も頑張って食べる

感謝祭には家族が遠方から集まるため、場合によってはその人たちが訪問のお土産もかねて手料理を作って持ってきてくれることがあります。そうすれば主催者側の負担も減りますし、とっても親切な行為ですよね。

しかしもしその手料理がマズかったら…かなり面倒くさいです。しかも普段あまり料理をしっかり手作りする人口が少ないアメリカでは、マズい可能性はかなりあります。しかし愛する家族が作ってくれた料理ですから、残すのは失礼ですよね。そのため「今年も伯母さんのあのサラダを食べなきゃいけないのか…」なんて悩みも少なくないはずです。

他にも「そもそもターキーが好きじゃない」というアメリカ人もたくさんいます。確かにチキンよりパサパサした食感ですので、柔らかくて脂の多い肉が好みの人には辛いかもしれません。

おわりに

いかがでしたか?
感謝祭はクリスマスと並んでアメリカ人にとっては大切な祝日です。家庭によって多少風習は異なりますが、家族で過ごす時間を大切にして、美味しい食事を楽しむというイベントには変わりは無いようです。
こういった知識を得た上で、アメリカ映画やドラマの感謝祭の風景を見ると、また違った発見ができるかもしれませんよ!

【参考文献】
What is Thanksgiving? Why are Americans celebrating today? │mirror.co.uk
Thanksgiving Day │usafederalholidays.com

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