丁寧な英語はNG!?アメリカ人が敬語をあえて使わない理由!
日本で敬語を話すように、アメリカでもシチュエーションに合わせて丁寧な言葉を喋りたいと思ったことはありませんか?職場の上司に対して、お店に来たお客さんに対して、年上の人に対して…。丁寧に話したいと思う機会は結構ありますよね。
でもちょっと待って!実はその気遣いのせいで、相手を嫌な気分にさせているかも!?
驚くことにアメリカ人は日本人が思っているような敬語は使わないのです。今回は「アメリカ人があえて丁寧な英語を使わない理由」をご紹介!
記事の目次
アメリカの現状!敬語は使わない?
アメリカでは丁寧に話す機会がすごく少ない!
英語を教えていると「丁寧な英語を喋りたいので、やり方を教えてください!」といった声をよく聞きますが、実はこの要望に応えるのは少し難しいのです。
確かに堅い言葉を選んだり、”Would you”や”May I”などを使って丁寧に話す方法はいくらでもあるのですが、実際問題アメリカに住んでいるとほとんどこういった言葉を使うことがないのです。
お店に入っても日本のように「いらっしゃいませ」、「何かございましたら、何なりとお申し付けください」というように丁寧にする必要はありません。
“Hi, how are you?”(こんにちは、元気ですか?)と声をかけてきたり、レストランのサーバーも“Hey guys! I’m Josh.”(やぁみんな。私はジョッシュです。)と気軽に挨拶をしてきます。
職場でさえあまり敬語は使いません。社長によっては“Call me Mark.”(マークって呼んでね)と、自らをファーストネームで呼ぶように指示するところも多いくらい。
ということで、外出をしていてもオフィスで仕事をしていても、あまりアメリカでは丁寧英語を使わないのです!
そもそもどうして日本人は丁寧な英語を学びたいの?
日本人は丁寧な英語を学びたがりますが、どうしてそういう考えにいたるのでしょうか?
「失礼な印象を与えたくない。」
「相手に機嫌を損ねたくない。」
こういった理由が挙げられるかもしれません。確かに日本は相手を思いやるために敬語を使います。正しい場面で敬語を使わないと、「この人失礼だな」と思われてしまいますもんね。
しかし!もし相手に良い印象を与えたいならば、逆に丁寧英語は避けるべきなんです!敬語に近い英語を使うことは、アメリカ人にとっては逆効果というわけ。
それでは今からその理由を解説していきます!
アメリカ人が丁寧な英語をあえて使わない理由
丁寧語を話すことで「距離」を作っている!?
そもそも日本という社会は上下関係を非常に大切にしています。「先輩&後輩」という概念があるのも、「年上&年下」という考えが根強いのも、この上下関係が文化として根付いているからでしょう。
どちらが上で、どちらが下かをハッキリさせるため、私たち日本語は敬語を使うのです。つまり丁寧な言葉とは、相手との距離を作るツールであるとも言えます。
これはアメリカでも同じ。丁寧な言葉を話すと、自然に相手との間に距離が生まれるのです。場合によっては距離を作るために、わざとこういった喋り方をすることもあります。
アメリカと日本のマナーは真逆!
日本とは違い、アメリカは「平等な立場」というのを強く意識する社会です。そのためマナーの一つとして、相手と自分を同じ立場に置く必要があります。どちらかが偉いという状況は避けるべきなのです。
しかしそんな社会で敬語を使うと、相手のと間に距離を作ることになり、対等な関係性が崩れる可能性があります。たとえあなたがへりくだって話しているつもりでも、相手は「どうしてこんな扱いをされているんだろう」と居心地が悪くなってしまうのです。
相手が誤解すれば、あなたがあたかも上の立場にいることを宣言しているようにも受け取られてしまうのです。そうなったら大変ですよね。せっかく良い印象を与えようとしてやっているのに、逆に相手を不機嫌にさせてしまうことに!
フレンドリーに話すことで「平等な立場」を意識!
ではどうやって話すのがいいのでしょうか?答えは簡単、友達のように話せばいいのです!フレンドリーに気軽に話すことで、相手との「平等な立場」を保つことができるというわけ。
日本は上下関係を意識することで相手に敬意を払いますが、アメリカでは平等に自分たちを扱うことで相手に配慮をしているのですね。そのため日本では「馴れ馴れしいな」と思われても、アメリカでは距離を感じさせずにフレンドリーに話すのがマナーと言えるかもしれません。
スムーズなコミュニケーションに「気まずさ」はNG!
「丁寧英語を使って相手を敬うのが日本人の美徳」と考えて、英語でもそのポリシーを貫こうとする人もいるかもしれません。しかしそれはやめておいたほうがいいでしょう。
相手と自然に楽しくコミュニケーションを取る時に、気まずい空気が流れていてはやりづらいですよね。ぎこちない関係では、意思疎通も上手くいかないものです。
言語を話すということは、その文化やマナーを知ることでもあります。相手と良い関係を築きたいのであれば、その土地に合った考え方を尊重してあげるのが本当の思いやりではないでしょうか。
アメリカでは距離感を作らず、気軽に話しかけるのが一番ということですね!
注意!「丁寧じゃない=礼儀がない」わけではない!
フレンドリーだからといって「失礼」なわけではない!
「でもフレンドリーな英語って失礼にならないの…?」と心配してしまいますよね。安心してください、丁寧な英語じゃないからといって、礼儀がないわけではありません!
日本語ではカジュアルな喋り方をタメ口と認識しますが、気軽に話す英語が同じようにタメ口だと思ってはいけません。ただ単に気さくなだけで、相手に対する思いやりはちゃんと存在します。
それに自分がフレンドリーな英語を話したからといって、「失礼になったかな…」と怖がらないでください。日本人にとっては慣れない感覚ですが、アメリカ人にとっては普通のことです。あなたのことを「礼儀がなってない!」と思うことはありません。
周りの人がどう話しているかもチェック!
友達に対してはもちろんフレンドリーな話し方でOKですよね。ただし上司やお客さんに対しては心配になってしまうかもしれません。
どうしても気になるなら、周りの人がどのような言葉遣いをしているかをチェックしてみましょう!郷に入っては郷に従うのがベスト。他の人が上司に対して使っている英語、他の人がお客さんに対して使っている英語を、あなた自身も真似するのが一番安全です。
ただし一般的に職場ではかしこまった英語を使う必要はないでしょう。レストランやカフェで働いている場合は尚更心配ありません。オフィスでも日本ほど上下関係がないので、相手が年上だったとしても上司だったとしても、同じ職場にいる限りはわざわざ丁寧な英語は必要ないはず。
最終的には周りの人のやり方、相手の反応を見ながら判断するのが一番ですね!
丁寧な英語を使うべきシチュエーションとは?
全く知らない人に!
先ほどもお伝えしたように、丁寧な英語は距離を作るものです。そのため全く知らない人に対しては、ある一定の距離感があって当たり前ですよね。
例えば道で知らない人に話しかける時やあまり関わりたくない人と話さなくてはいけない時は、あえて丁寧英語を使うといいでしょう。
ただし!相手を知らないからといって、ずっと丁寧英語で接するのは考えものです。例えばシチュエーションに分けて考えていきましょう。
<パーティーで初めて会った場合>
⇒最初のうちは丁寧英語でもいいかもしれませんが、徐々にフレンドリーにしていきましょう。でないといつまで経っても仲良くなれません!もしくは最初からフレンドリーにいってもOK。
<レストランに来たお客さんに対して>
⇒確かに知らない人ですが、始めからフレンドリーでいいでしょう。食事を済ませるまでの間は一緒に時間を過ごすことになるので、わざわざ気まずくする必要はありません。
ということで、知らない人に「あえて距離を作りたい」時は丁寧語でOKです。それ以外の場合は、基本的に友達のように話しかけてよいでしょう。
ご老人に!
「人は全員平等で、分け隔てなく接するべき」という考えがアメリカには根付いていますが、実は比較的最近浸透してきているものでもあります。
そのため一部のご老人に対しては、丁寧な英語を使ったほうがいい場合もあるのです。ハッキリとした年齢は言えませんが、だいたい70歳より上の人であれば、言葉には気をつけた方がベターでしょう。
ただしそれ以外の世代には、基本的にフレンドリーな喋り方でOK!
じゃあフレンドリーな英語って何?
気軽に喋るなら、シンプルで短い英語を!
「じゃあフレンドリーな英語って何?」って思いますよね。別に「スラングを使え!」ということではないんです。(むしろスラングは悪い印象になることがあるので気をつけましょう)
平等な立場を維持できる気軽な英語とは、シンプルで短いものがほとんど!難しい英単語ややたら長い文章になると、大抵の場合丁寧な英語になってしまいます。
よく「中学校で習う英語だけで十分英会話ができる」と言いますよね。実はその理由の一つが、コレなんです。中学校で習うレベルのシンプルで簡単な英語を使えば、自然にフレンドリーな喋り方ができるというわけ!
変に難しいことを言わなくても、中学で習ってきたもので大丈夫!これを理解できれば、もっと自信を持って英会話にトライできそうですね!
おわりに
いかがでしたか?
日本人にとっては意外な内容だったかもしれませんね。
「丁寧な英語を使わないと失礼」という考えは捨てて、深く考えずに中学校で習ってきたシンプルな英語を使ってみましょう。そうすれば自然にフレンドリーな話し方になり、アメリカの文化にフィットした会話をすることができますよ!