動名詞と不定詞の違い!「〇〇すること」の表現の使い分け!
英語で「○○すること」を表現するときには、「動名詞」または「不定詞」が使われますね。
どちらも日本語では、同じ風に訳されますが、全く同じものではないんです。それらの違いに混乱してしまうという方も多いでしょう。
今回は「動名詞」と「不定詞」の違いを理解して、スムーズに使い分けられるように、それぞれの使い方を解説していきます!
「動名詞」と「不定詞」の違い
それぞれの使い方を見ていく前に、「動名詞」と「不定詞」の違いを簡単に確認しておきましょう。
まず、これらは言葉の形に違いがあるんです。それぞれの以下の形で表現します。
「動名詞」 ⇒ 動詞の”ing”形
「不定詞」 ⇒ “to”+動詞の原形
そして、それぞれが持っているイメージにも違いがあります。
「動名詞」 ⇒ イキイキしている。リアルな動きが感じられる。
「不定詞」 ⇒ 漠然としている。リアルな動きは感じられない。
頭の中でリアルに動いているのをイメージしてるときは「動名詞」、写真や絵などに描かれてるのを指してるのイメージしてるときは「不定詞」を使う感じですね。
話し手の感覚次第という部分もありますが、これが大まかイメージの違いです。
さらに、このイメージから次のような違いというのもあります。
「動名詞」 ⇒ その時点で終わっていること
「不定詞」 ⇒ その時点でまだしていないこと、しようとしていること
感覚的なことではあるのですが、それぞれの持つイメージの違いから表せる内容というのも変わってくるんです。
終わっていることなので「あんな風にしてたな」と動いている様子がリアルに頭の中で描けます。それは「動名詞」が持ってるイメージにピッタリ。
まだしてないことなどは、実際にしていないのでリアルには描けません。これからのことなので、ぼんやりと描くことしかできないんです。だから、その場合には「不定詞」を使います。
それでは、「動名詞」と「不定詞」の詳しい使い方を見ていきましょう!
「動名詞」について
「主語」として使う
「動名詞」を主語の位置に持ってくることで、「○○することはこうだ」というような表現ができます。
例えば、こんな感じ。
Jogging every day keeps me healthy.
(毎日ジョギングすることは私の健康を保ってくれる。)
「ジョギングする」という意味の「動詞」である”jog”を”jogging”とすることで、「主語」にすることができるんですね。
「補語」として使う
「補語」というのは「主語とイコールの関係になる言葉」です。
例えば、「私はライターです」という意味の文”I am a writer.”の「補語」は”writer”になります。「主語」である”I”とイコールの関係です。
「動名詞」は、この「補語」の役目もできるんです。以下の例文を見てみましょう。
My favorite pastime is listening to music.
(私の気晴らしは音楽を聴くことです。)
「”my favorite pastime”イコール”listening to music”」という関係が成り立っていますね。
「目的語」として使う
「目的語」というのは「動詞の対象となる言葉」です。
例えば、「私はトマトが大嫌い」という意味の文”I hate tomatoes.”の「動詞」は「大嫌い」という意味の英語”hate”ですね。
そして、その「大嫌い」の対象になっているのが”tomatoes”ということで、この文の「目的語」というわけです。
この「目的語」の役割も「動名詞」はできてしまうんですよ。
I like going to karaoke after work.
(仕事終わりにカラオケに行くのが好きなの。)
“like”という「動詞」の対象が「カラオケに行く」という行動なので、”going”という「動名詞」の形にして「目的語」として使っているわけです。
これは「不定詞」の場合にも言えることなのですが、「目的語」として「動名詞」を使うときに気をつけなくてはいけないことがあります。
それは、その文の中の「動詞」が何であるかということです。
【主語+動詞+動名詞】の文の「動詞」の部分のことで、その「動詞」によっては「動名詞」が使えないというケースもあります。
①「動名詞」のみしか使えない「動詞」の例
enjoy (楽しむ)
finish (終わる)
mind (気にする)
give up (諦める)
①に挙げている「動詞」の特徴は「過去・現在」を感じさせるものであることです。
「動名詞」は「動いている」というイメージなので、「何かをしている状況(現在)」や「何かをしていたのをやめる(過去)」ということを表せる「動詞」がピッタリなのです。
例えば、こんな使い方をします。
I finished washing my car before noon.
(お昼前に車を洗い終えた。)
作業を終えるまでは「車を洗うこと」をずーっとしていたということがイメージできますね。何かを終えた時点で、そのしていた作業は過去になります。
②「動名詞」も「不定詞」もどちらも使えるが、意味が変わる「動詞」の例
try (試す)
stop (止まる)
forget (忘れる)
remember (覚えてる)
②で挙げた「動詞」は、ここまで紹介した「動名詞」のイメージにも、このあと紹介する「不定詞」のどちらのイメージにも合うそれぞれの特徴があるのです。
「それぞれ」の特徴なので、どちらを使うかによって、そのニュアンスが変わってきます。
例えば、”try”を使った文を見てみましょう。
He doesn’t remember talking with me.
(彼は私と話をしたことを覚えていない。)
残念ながら、彼は覚えていないようですが(笑)「彼が私と話をしたこと」が事実としてある場合は、その様子が頭の中でイメージできますよね。「動いている」のが感じられます。
さらにそれは過去のことなので、「話したことを覚えていない」という意味になるのです。
「不定詞」を使う場合については、また後の項目で紹介しますね。
③「動名詞」も「不定詞」もどちらも使える「動詞」の例
begin (始める)
start (始める)
like (好き)
hate (大嫌い)
③で挙げた「動詞」は「どっちも受け入れられる!」という柔軟さを持っています。
どっちを使っても構わないし、②で挙げた「動詞」のように大きくニュアンスが変わるってこともありません。「動名詞」を使うと「動いてる」様子がイメージされるってだけのことです。
I started making dinner after taking a nap.
(昼寝をした後、夕食を作り始めた。)
「不定詞」について
「主語」として使う
「動名詞」の項目で使った例文の「主語」を「不定詞」で言い換えてみましょう。
To jog every day keeps me healthy.
(毎日ジョギングすることは私の健康を保ってくれる。)
「不定詞」なので、”to jog”という形になります。
「補語」として使う
では、こちらも「動名詞」の項目で使った例文を言い換えてみます。
My favorite pastime is to listen to music.
(私の気晴らしは音楽を聴くことです。)
形が変わっただけで、「私の気晴らし=音楽を聴くこと」という関係は成り立っていますね。
「目的語」として使う
「目的語」の文も「不定詞」で言い換えてみましょう。
I like to go to karaoke after work.
(仕事終わりにカラオケに行くのが好きなの。)
“like”という「動詞」の対象として「行くこと」を”to go”で表現していますね。
さて、この「不定詞」でも「目的語」としての使い方には注意が必要です。その「動詞」によっては「不定詞」が使えないというケースが存在します。
では、例をいくつか見ていきますね。
①「不定詞」のみしか使えない「動詞」の例
hope (望む)
plan (計画する)
want (したい)
decide (決める)
①に挙げている「動詞」の特徴は「未来」を感じさせるものであることです。
「不定詞」の「これです」と指しているイメージが先に向かっている「未来」を連想させるんですね。
I want to finish my car before noon.
(お昼前に車を洗い終えたい。)
まだ車を洗い終えていません。”want”を使って、「こうしたい」という先へ向けての願望を表現しています。
②「動名詞」も「不定詞」もどちらも使えるが、意味が変わる「動詞」の例
try (試す)
stop (止まる)
forget (忘れる)
remember (覚えてる)
これらの「動詞」を「不定詞」と主に使うと、「これからこうする」というニュアンスが感じられます。
Remember to talk with me after the meeting.
(ミーティングの後、私と話すことを覚えておいて。)
これを言っている時点では、まだ「私と話す」ということは行われていません。これから行われることです。だから、”to talk”で表現しているんです。
③「動名詞」も「不定詞」もどちらも使える「動詞」の例
begin (始める)
start (始める)
like (好き)
hate (大嫌い)
どちらを使ってもOKな「動詞」ですね。意味が大きく変わることはありませんが、「不定詞」を使うと「これです」と指しているイメージから、客観的な印象が感じられます。
I started to make dinner after taking a nap.
(昼寝をした後、夕食を作り始めた。)
おわりに
今回は「動名詞」と「不定詞」の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
確かに言い換えても大差がない場合もありますが、全く同じものであれば、どちらかに統一されてもおかしくないはずなんです。それでも、違う形で2つ存在しているのにはきちんと理由があるんですね。
「○○すること」という日本語だけでは感じられない、2つのニュアンスの違いをしっかりと感じながら、「動名詞」と「不定詞」を使い分けていきましょう!