hard/difficult/toughの違い!「難しい」を意味する言葉を区別する!
英語で「難しい」を表す言葉の中には、いろいろありますが、代表的なものが”hard”、”difficult”、”tough”ですね。
ただ、どれも「難しい」と訳されることがあって、「区別がつかない!」という方も結構多いのではないでしょうか。
今回は、「難しい」を意味する言葉である”hard”、”difficult”、”tough”、これら3つの言葉の違いについて紹介します!
「hard」「difficult」「tough」の違い
まずは、3つの言葉の違いを簡単に確認しておきます。
それぞれの言葉に込められている「難しい」には以下のようなニュアンスの違いがあるんです。
“hard” ⇒ 肉体的にしんどい、精神的にしんどい
“difficult” ⇒ 知識や技術がなくて難しい
“hard” ⇒ 厳しい、容赦ない
それでは、これらの言葉をどのように使い分けていけばいいのか、詳しく見ていきましょう!
「hard」について
肉体的・精神的に難しい
“hard”が表す「難しい」には、「きつい」とか「しんどい」という思いが込められています。
そして、それは体に対しても心に対しても使うことができるんです。
例文を見てみましょう。まずは、「肉体的に難しい」と言う場合です。
It will be hard for us to move this cabinet.
(僕らで、この棚を動かすのはきついよ。)
「棚を動かす」というのは肉体労働ですよね。なので、この文での”hard”は「体がきつい」ということを意味しています。
次に、「精神的に難しい」と言う場合です。
It would be hard for her to keep her marital life with her husband intact.
(彼女にとって、夫との結婚生活をそのまま続けていくことは辛いことだろう。)
何かしら問題があって「結婚生活を続けるのが難しい」ということを言っています。この場合の”hard”は「心がしんどい」ことを表現しているんですね。
「difficult」について
必要な知識や力がなくて難しい
「難しい」というと、この”difficult”を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。確かにそれで間違いないのですが、ちょっと使い方には注意が必要です。
英語の”difficult”と日本語の「難しい」のニュアンスには、少し違いがあります。
英語の”difficult”は、細かく意味を言うと「あることを行うための知識や技術などが足りていないから難しい」なんです。
日本語の「難しい」も、そういった意味合いで使われることがありますが、何かを頼まれて忙しいから無理というときや予定を合わせられないときなど、特に知識や技術を必要としない場面でも使われますよね。
英語の”difficult”は、そのような場面では使うことはできません。あくまでも「知識や技術」が関わってくることのみです。
The TOEIC test may be difficult for your daughter because she doesn’t have enough knowledge.
(まだ十分な知識がないので、あなたの娘にはTOEICは難しいかもしれません。)
この例文では、相手の娘さんが「TOEICを受けるための知識を持っていないから難しい」ということを伝えていますね。
「知識が足りないから難しい」ので、”difficult”で表現されるんです。
「技術がなくて難しい」という場合にも、”difficult”を使うことができますよ。
It’s too difficult for me to make paper flowers.
(紙で花を作るなんて私には難しすぎるわ。)
これは「紙で花を作る技術が自分にないから難しい」ということを伝えています。だから、”difficult”がピッタリなんです。
「tough」について
厳しくて難しい
“tough”が意味する「難しい」は、「厳しい」あるいは「容赦ない」というイメージがあります。
思わずたじろいてしまうような、まるで逃げ道がないような感じです。
Most of the questions about the scandal were tough to answer.
(そのスキャンダルに関する質問のほとんどが、答えに窮するものだった。)
この場合、質問の内容が答える側にとっては「厳しくて容赦ない」ということを”tough”で表現しています。
答えにくいことや核心をついたことをバンバン聞かれているようなイメージですね。ごまかして答えることすらできないような感じ。一体何をしでかしてしまったのでしょうか(笑)
It must have been tough for him to make a presentation in front of company executives because he’s still a newbie.
(まだ新人なので、会社の重役たちの前でプレゼンするのは彼にとってキツイものだったに違いない。)
新人なのにも関わらず会社の重役たちの前でプレゼン・・・容赦ない厳しい仕事ですね。そんなときは、こんな風に”tough”で表現することができます。
そこまでキツくはないけど精神的にはしんどいかなってときは、”hard”でもいいですね。
まとめ
それでは、最後に”hard”、”difficult”、”tough”の違いを改めて確認するために、以下の例文を見てみましょう。
各単語のニュアンスの違いをイメージしてみて下さいね。それぞれ、一体どのようなシチュエーションだったのでしょうか?
①It was a hard situation.
②It was a difficult situation.
③It was a tough situation.
①は”hard”を使っているので、体などをたくさん動かして疲れてしまって「体がしんどい」、あるいは頭を使うような作業や気を使うようなことがあって「心がしんどい」という状況であったことが考えられますね。
肉体的なことなのか精神的なことなのかは、その状況によって変わります。
②は”difficult”です。ある状況において知識や技術を要求されていたけど、自分はそれらを持っていなかったので、結果的に難しい状況だったという意味になります。
③は”tough”を使っていますね。とにかく厳しくて容赦のない状況だったことがイメージできます。
逃げたくても逃げられない、誰も手助けしてくれないような状況です。
おわりに
今回は、”hard”、”difficult”、”tough”、の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
「難しい」と一言に言っても、その状況によって言葉を使い分ける必要があります。そのニュアンスの違いを理解して、上手く使い分けていくことで、自分の伝えたいことをより正確に伝えることができますよ。
「難しい」を伝えるときに使える英語フレーズを以下の記事で紹介しています。あわせて読んでみてくださいね。
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