「near」と「by」の使い方!「近く」を表現する言葉の違いを覚えよう!
英語で「近く」を表現するときに使える言葉といえば、何があるでしょうか?
多くの人は、”near”あるいは”by”を思い浮かべたのではないかと思います。どちらも「近く」を表現したいときに使われる英語ですが、その使い方には違いがあります。
今回は、「近く」を表現するときに使える”near”と”by”の使い方について紹介します!
「near」の使い方
“near”は「感覚的」
“near”の表す「近く」には、厳密にどのくらいの近さという決まりはありません。
その人が「近い」と感じたら、”near”を使うことができます。その人の感覚次第です。
「感覚的」でその人自身の主観で表現するイメージですね。
場所が「近く」
まず、英語の”near”で表せるのは場所の近さです。「なんとなく近い」と感じることができれば、”near”を使うことができます。
The new restaurant is near my house.
(その新しいレストランはうちの近くにあるよ。)
この場合、新しいレストランとうちがどのくらいの距離感にあるのかは、それぞれの人のイメージは変わるでしょう。5軒先くらいをイメージする人もいるかもしれませんし、歩いて10分くらいの場所をイメージする人もいるかもしれません。
間違いなく近いけど、すぐ隣や目の前のように、2件の建物が同時に目に入ってくる範囲ではないということです。
ちなみに、この”near”を“nearest”という「最上級」の形にして使うと「最も近く」という意味になります。ただし、「その範囲の中で1番近い」ということなので、距離は離れているという場合もあるかもしれません。
Shibuya is the nearest station to our office.
(渋谷がうちの会社の最寄駅です。)
上の例文の場合、徒歩1分くらいの近さかもしれませんが、周りに駅がなくタクシーなどを利用していける範囲で1番近いのが渋谷駅という可能性もあります。
その会社を中心にして考えた範囲の中で、渋谷駅が1番近いというだけです。
時期が「近く」
時期的な近さを表現したいときにも”near”を使うことができます。
よく使われる表現の1つに、「近い将来」や「近いうち」という意味の”near future”があります。例えば、こんな風に使うことができるんです。
They will visit us in the near future.
(近いうちに彼らは私たちのところに遊びに来るでしょうね。)
日本語の「近いうち」という表現の基準が人によってバラバラなのと、一緒で英語の”near future”というのもアバウトなものです。
ある人にとっては1カ月以内かもしれないし、ある人にとっては1年以内かもしれません。具体的にいつとは言えないけど、そんなに遠い未来ではないというときには”near future”という表現が使えます。
他に”near”を使って時期の近さを表す例として、以下のように言うことができますよ。
near Christmas (クリスマス近く)
near the end of this month(今月末近く)
「by」の使い方
“by”は「視覚的」
こちらも”near”と同様に厳密に近さが決められているわけではありません。ただし、”near”と比べて“by”の方が距離的には近いです。
“near”と違い、その近さが目に見えて分かるような場合には、”by”を使って表現します。
誰の目に見えても明らかな位置関係、つまり「客観的」なイメージで、個人の感覚はあまり関係ないです。「近い」というよりも、日本語で言う「そば」という感覚が正しいかもしれません。
場所が「近く」
“near”と同様に、場所の近さを表現するときに使います。ですが、”near”のように「なんとなく近い」というニュアンスはなく、ハッキリとその近さが分かる場合です。
The new restaurant is by my house.
(その新しいレストランはうちのそばにあるよ。)
この場合、すぐ隣あるいは目の前など、同時に見える範囲に新しいレストランとうちがあるというイメージです。どの人が見ても「近いよね」と納得できる距離感になります。
「近く」のニュアンスで使われる”by”で表せるのは場所の近さだけです。”near”と違い、時期に関する「近く」は表現することができません。
今回のテーマである「近く」という意味合い以外の”by”の使い方については、以下の記事を参考にしてみて下さいね。
使い分けポイント
それでは、最後に”near”と”by”の使い方についておさらいしておきましょう。2つを使い分けるポイントとなります。
以下の2つの文のニュアンスの違いを感じられますか?どちらも「山の近くに住みたいです」という内容を表した文です。
① I’d like to live near the mountain.
② I’d like to live by the mountain.
①は”near”を使っていますね。この場合、家から山が見える位置にあることは間違いありません。ですが、歩いていけるくらいの距離かもしれませんし、近いとはいえ車で行かないといけないくらいの距離という可能性もあります。
②は”by”を使っているので、山のふもとなど、すぐに山に行けるくらいの距離であることが分かります。
似ているようで、①と②の例文にはこのような違いがあるんです。みなさん、以下の使い方を感じ取ることができたでしょうか?
“near”→感覚的で、人によって変わる主観的な「近く」
“by”→視覚的で、誰が見ても分かる客観的な「近く」
おわりに
今回は英語の”near”と”by”の使い方について紹介しました。いかがでしたか?
日本語で「近く」と訳されることの多い2つの言葉ですが、持っているニュアンスや使い方には違いがありましたね。
日本語の意味につられることなく、言葉そのものが持つ意味合いの違いをきちんと理解して、自分の表現の中でスムーズに使いこなしていけるように練習しておきましょう!