「fall」と「drop」の違いって?「落ちる」を表す英語の使い分け!
「落ちる」を意味する英語には、”fall”と”drop”という言葉があります。
日本語では同じ言葉が使われていますが、それぞれの英語に含まれているニュアンスに違いはないのでしょうか?
今回は、「落ちる」を意味する英語の言葉”fall”と”drop”について紹介したいと思います!
「fall」と「drop」の違い
「落ちる」を意味する英語の”fall”と”drop”の詳しい使い方を確認する前に、これらの大まかな違いについて確認しておきましょう。
まず、この2つ言葉には「落ち方のイメージ」の違いがあるんです。
“fall” ⇒ ある程度の時間をかけて落ちる
“drop” ⇒ 急にストンと落ちる
“drop”の落ち方の方が、急な感じがするんですね。
そして、それぞれの「落ちる軌道のイメージ」にはこんな違いがあります。
“fall” ⇒ 曲線的
“drop” ⇒ 直線的
さらに、それらのイメージの違いから、同じ「落ちる」でも、どこに焦点を当てているかが異なります。
“fall” ⇒ 落ちる「過程」
“drop” ⇒ 落ちる「位置」
“fall”は「落ち始めてから落ち終わるまでの道のり」、”drop”は「落ち終わった後の地点」にポイントを当てているんですね。
そして、もう1つの違いとして、英語の”drop”には「落ちる」以外に、「落とす」というニュアンスがあります。
「何かが勝手に落ちる」以外に、「誰かが何かを落とす」と言う時にも使われるんです。
“fall”にはそのような意味合いは含まれていません。
それでは、これら2つの言葉の違いについて、詳しく見ていきましょう!
「fall」について
ある程度の時間をかけて落ちる
英語の”fall”が意味する「落ちる」には、「ある程度の時間をかけて落ちる」というニュアンスが含まれています。
「ひらひら落ちる」とか「ふわっと落ちる」というイメージ。
そして、その落ちる軌道は「直線的」というより、「曲線的」です。真っすぐではなく、弧を描くような感じだったり、くねくねと蛇行しているような感じですね。
例えば、木から葉っぱが落ちる様子などは”fall”を使って表現します。ストンと急に落ちるのではなく、ひらひらとゆっくり時間をかけて落ちていく感じです。
The leaves of the tree fall in the winter.
(冬にはその木の葉が落ちます。)
この”fall”を“fell”とすると、過去形で「落ちた」を表現することができますよ。
My son fell off the chair and cried a lot.
(息子は椅子から落ちて大泣きした。)
「落ちる」という意味合い以外に、「雨が降る」とか「雪が降る」と言う時も”fall”を使えます。
軌道だけ見ると直線的な感じもするので”drop”を使いそうな感じがしますよね。
では、なぜ”fall”なのかというと、雨や雪は高い空から落ちてくるので、「ある程度時間をかけて落ちてくる」というイメージになるからなんです。
I hope snow will fall on Christmas Day.
(クリスマスに雪が降ったらいいな。)
A heavy rain started to fall when I arrived at the station.
(僕が駅に着いた時に激しい雨が降り出した。)
さらに、”fall”の「ある程度の時間をかけて落ちる」というイメージから、「倒れる」という意味合いでも英語の”fall”を使うことが出来ます。
「倒れる」時は、直線的にというよりも、弧を描くように倒れて下につきますよね。それが”fall”の持つイメージに合っているんです。
例えば、こんな風に使います。
The big tree in the park fell because of the strong wind.
(強い風で公園の大きな木が倒れた。)
上の例のように、”fall”を「倒れた」というニュアンスで使う時には、「下に」というニュアンスを伝えるために”down”を一緒に使うこともあります。
The big tree in the park fell down because of the strong wind.(強い風で公園の大きな気が倒れた。)
「drop」について
急にストンと落ちる
英語の”drop”が表す「落ちる」は、「急にストンと落ちる」という意味合いです。「落ちることを予想してなかった」とか「突然落ちてきた」という時に使われます。
落ちる軌道は「直線的」な感じです。真っすぐな線をイメージすると分かりやすいかもしれません。
I saw an apple drop from a tree.
(木からリンゴが落ちたのを見た。)
過去形で「落ちた」と表現する時は、“dropped”を使いましょう。
One of the pictures on the wall dropped when the earthquake happened.
(地震が起こった時、壁に飾ってあった絵が1つ落ちた。)
実際に目に見える物ではない、「気温」など数字で表せるものに関して「数字が下がった」という時にも”drop”を使うことが可能です。
その時も、その下がり方は緩やかではなく急なイメージになります。
The temperature dropped last night.
(昨晩、急に気温が下がりました。)
The population of that country dropped in 2012.
(2012年にその国の人口は急激に減った。)
“fall”と違う点として、英語の”drop”には「落ちる」以外にも「落とす」というニュアンスでも使うことが出来ます。
その時には、”drop”に後に落とすものや落としてしまったものを示す言葉を使えばOKです。“drop 〇〇”という形ですね。
Don’t drop the dish. Be careful.
(そのお皿落とさないでね。気をつけて。)
I dropped the glass on the floor then.
(その時私はガラスのコップを床に落とした。)
おわりに
今回は、「落ちる」を意味する英語である”fall”と”drop”の違いについて紹介しました。いかがでしたか?
どちらも「落ちる」という意味を持つ英語ですが、その落ち方にニュアンスの違いがあったんですね。
それぞれの落ち方のイメージを描きながら、適切に使えるようにしていきましょう!