「受動態」の英語の使い方!「される」を表現する文法を覚える!
英語の「受動態」ってなんだかよくわからない!そう感じてる方は多いのではないでしょうか?
でも、どんな目的で使われていて、どんなニュアンスが込められてるかさえ分かれば、そんなに難しいものではありません!
今回は英語の「受動態」の使い方について紹介します!
「受動態」とは?
「受動態」の詳しい使い方を見ていく前に、そもそも「受動態」とは何なのかについて説明したいと思います。
日本語との違い
「受け身の文」なんて言われることもあり、「○○される」という風に訳されることの多い「受動態」ですが、その日本語の意味に引きずられてはいけません。
日本語の響きから「無理やり何かさせられる」とか「強制的にやらせれる」みたいなイメージを持っている方もいますが、それは誤解です。
英語の「受動態」には必ずしもそんなニュアンスが含まれているわけではありません。単に、ある行動の対象となっている人や物にスポットを当てているってだけのことなんです。
「受動態」だからといって、絶対に「○○される」と訳す必要はないし、逆に日本語で「○○される」と言うからといって英語に直すときに「受動態」を使うとは限りません。
では、英語で「受動態」を使う目的とは何なんでしょうか?
動作した人を意識しない場合
「誰がその行動をしたのか」ということが分からない場合や特に言う必要がない場合の使い方です。
例えば、窓が割られたけど誰がやったたのかは分からない場合、次の例文のような英語表現することができます。
That window was broken.
(あの窓は割られました。)
犯人が分からず「誰が」ということは言えないので、「窓」をメインにして考えて「窓が割られた」という内容のみを伝えています。
次の例文は特に「誰が」ということを言う必要がない場合です。
English is spoken around the world.
(英語は世界中で話されています。)
「英語が世界中で話されている」という内容が重要なのであり、「誰が」ということを改めて言う必要もありません。漠然と「世界の人々」とイメージできるからです。
作られたものをメインにしたい場合
本や映画などの作品、あるいは建築物など、「作られた物」をメインにして言いたいときにも「受動態」が活躍します。
例えば、こんな風な英語表現できます。
“The tale of Genji” was written by Murasaki Shikibu.
(「源氏物語」は紫式部によって書かれた。)
この場合「源氏物語は書かれた」だけだと、内容として不十分です。なので、例文では「紫式部によって」という意味の表現である”by Murasaki Shikibu”をつけています。
このように「作られた物」について話すときには、作者などの「誰が」を表す言葉の他に、”in 1900″ “two years ago”のように「いつ」を表す言葉や、”in English”のように「言語」「方法」を表す言葉を加えて使われます。
受けた側をメインにしたい場合
「誰かが誰かに対して何かをした」というより、「誰かが誰かに何かされた」ということを強調して言いたいときのパターンです。
例えば、「自分の息子がクラスメートに蹴られた」というように「ある行為された側」をメインにすると次のような英語表現になります。
My son was kicked by his classmate.
(うちの息子はクラスメートに蹴られた。)
受けた側の”my son”を主語にします。そしてされた行為を”was kicked”という形で言っています。そして、先ほど「作品」について「誰が」を表すときと同じ”by”を使って、その行為をした人を表現しています。
受けた感情を表現したい場合
日本語では「悲しむ」「喜ぶ」などと表現する感情についても、英語では「受動態」の形が使われます。
日本語で「される」とか「された」という風に訳されることが少ないので気づきにくいですが、感情表現の多くは実は「受動態」で表現されているんですよ。
Oliver was bored during math class.
(数学の授業中、オリバーは退屈してた。)
この場合、英語の感覚では「退屈させられてた」というニュアンスで”was bored”とします。
英語で表現する感情の多くは、「自分で感じる」というよりも「何かによって感じさせられてる」という日本語とは違った捉え方ですね。”bore”というのは「退屈させる」という動詞で、その過去分詞が”bored”なんです。
それでは、これらの使い方を踏まえて、「受動態」についてさらに詳しく見ていきましょう!
基本の時制
まずは、英語の「基本時制」での「受動態」の使い方を紹介していきます!
現在形
現時点で「されていること」を表現します。
【be動詞+動詞の過去分詞形】で、be動詞は”am”、“are”、”is”のいずれかを主語に応じて使います。
「ある歌手の新曲が世界中で歌われている」という内容の例文です。
Her new song is widely sung all over the world.
(彼女の新曲は世界中で広く歌われています。
この場合、特に「誰が」ということは意識していません。「彼女の新曲」をメインにして、それが「歌われている」ということを伝えています。
過去形
過去のある時点で「○○された」ということを伝えるときの形です。
【be動詞+動詞の過去分詞形】で、be動詞は”was”、”were”のどちらかを主語に応じて使います。
例えば、「学校が建てられた」ということを言うときはこのようになります。
Our school was built in 1970.
(私たちの学校は1970年に建てられた。)
「私達の学校」をメインにして、それが「1970年に建てられた」と言っています。
こちらも特に「誰が」という部分は意識していませんが、建てた人についても言いたい場合は英語で以下のようにも言えます。
Our school was built by a famous architect in 1970.
(私たちの学校は1970年に有名な建築家によって建てられた。)
未来形
未来のある時点で、ある人や物が「○○されてるでしょう」と予測するときの使い方です。
形は【”will”+be動詞+動詞の過去分詞形】となります。
例えば、汚れてたりゴミが散らかってたりする通りがあるとします。「さすがにこのままってことはない、誰かが掃除して明日にはキレイになってるだろうな」って思ったときは、こんな風に言えますね。
The street will be cleaned tomorrow.
(その通りは明日には掃除されてるでしょう。)
この例文は誰が掃除するかはわかってない、あるいはあえて言う必要はないと思ってる場合ですが、もちろん「誰が」ということを言いたければ”by”を使って言うことができます。
The street will be cleaned by volunteers tomorrow.
(その通りは明日にはボランティアの人たちによって掃除されてるでしょう。)
完了形
次は英語の「完了形」での「受動態」の使い方を確認していきます!
現在完了形
「過去のある時点から今に至るまで、○○されている」、「今までの間に○○されたことがある」、「ついさっき○○されてしまった」というときの使い方です。
ゴチャゴチャと書きましたが(苦笑)、つまり「現在完了」が持つ全てのパターンに「受動態」が使えるってことです。
その形は【”have”/”has”+”been”+動詞の過去分詞形】で、主語によって”have”か”has”を使い分けます。
では、「過去のある時点から今に至るまで、○○されている」というニュアンスを込めた例文を見てみましょう。
That actress has been loved by a lot of fans.
(その女優は多くのファンに愛され続けている。)
「ずっとあの女優さんは人気があるな」ということを、このように表現することができます。
過去完了形
こちらも全ての「過去完了」が持つパターンで使うことができます。
「過去のある時点から過去のある時点に至るまで、○○されている」、「過去のある時点までの間に○○されたことがある」、「過去のある時点までに○○されてしまった」というようなときですね。
形は【”had”+”been”+動詞の過去分詞形】となり、主語が何であってもこれで表現することができます。
では、「過去のある時点で○○されていた」というパターンで例文を見てみましょう。
My bike had been stolen when I got home.
(家に着いたときにはすでに自転車は盗まれていた。)
「家に着いた」という過去の時点より前に、「自転車が盗まれてしまってた」という内容です。
未来完了形
言うまでもなく、こちらも全てのパターンで使うことができます。
「未来のある時点まで○○されているだろう」、「未来のある時点までに○○されてしまっているだろう」というようなときの使い方ですね。
【”will”+”have”+”been”+動詞の過去分詞形】で、こちらも主語が何であってもこの形です。
それでは、「未来のある時点までに○○されてしまっているだろう」のパターンで例文を見てみましょう。
The meeting will have been finished by the time I go back to the office.
(私がオフィスに戻るまでに、その会議は終わってるだろう。)
「私がオフィスに戻る」という未来のある時点で「会議は終わっている」ということを英語で表現しています。
直訳すると「その会議は終わらされてる」となるのですが、それだとちょっと不自然な日本語なので「終わってるだろう」としています。「会議」は自分で終わることはできません。「人が会議を終わらせる」ので「受動態」を使うんです。
進行形
英語の「受動態」には「進行形」の形も存在します。その形は【be動詞+”being”+動詞の過去分詞形】になります。
ちょっとその組み合わせが分かりずらいですよね。「進行形」と「受動態」の足し算でできてるとイメージしてください。
【進行形】be動詞+動詞のing形
【受動態】be動詞+動詞の過去分詞形
この赤文字で書いてある部分をミックスさせると”being”になるんです。そして、残りの部分を足して「受動態の進行形」の形というのが出来上がります。
現在進行形
ある人や物が「今何かされている最中」というときには「受動態」を「現在進行形」で表現することができます。
【be動詞+”being”+動詞の過去分詞形】のbe動詞の部分に入るのは”am”、”are”、”is”のいずれかです。
下の例文は「自分の車が今修理されている最中であること」を英語で表現しています。
My car is being fixed now.
(今、私の車は直してもらってるところです。)
“My car”という主語なのでbe動詞は”is”を使います。そして、「直してもらってる」状態が今進行しているので”being fixed”で表せるんです。
過去進行形
過去のあるときに、「ある人や物が何かされている最中だった」というときには「受動態」の「過去進行形」を使います。
【be動詞+”being”+動詞の過去分詞形】のbe動詞は”was”、”were”のどちらかです。
The wall was being painted then.
(そのとき、壁が塗られているところだった。)
“The wall”という主語に対してのbe動詞は”was”です。そして「塗られている」という状態がその時点で行われていたので、”being painted”と英語で表現することができます。
未来進行形
未来のある時点において、「人や物が○○されている最中だろう」というときの使い方ですね。
【”will”+”be”+”being”+動詞の過去分詞形】となります。なんだか”be”と”being”が続くと変な感じがしますが、これも「進行形」と「受動態」の足し算で考えてみると分かりやすいと思います。
The match will be being held at this time tomorrow.
(明日の今頃は試合が行われているだろう。)
「明日の今頃」という未来の時点を考えて、そのときに「試合が行われている最中だろう」という内容の例文です。
おわりに
今回は英語の「受動態」について紹介しました。いかがでしたか?
使い方によっては完全に日本語の「される」とは一致しないので、感覚がつかめそうでつかめないのが英語の「受動態」の難しいところかと思います。
自分で使って練習していくことも大切ですが、さまざまな英文から「受動態」を見つけて、どうしてその使い方をしているのかということを考えてみるのも練習になりますよ!
少しずつ使い方を身につけていきましょうね!