「listen」と「hear」の使い分け!違いを理解して使い方をマスターする!
英語の”listen”と”hear”は、どちらの言葉も「聞く」という意味です。そしてこの2つの言葉は、使い分けに悩んでしまう人が多いワードでもあります。
ただし、これらの言葉は違いをしっかりと理解してしまえば、使い分けがそんなに難しい言葉ではありません。
英語の”listen”と”hear”をスムーズに使い分けられるように、その使い方を徹底解説しちゃいます!
「listen」と「hear」の違い
それぞれの詳しい使い方を学んでいく前に、英語”listen”と”hear”の違いについて簡単に確認しておきましょう。
まず、「聞く」意思があるかどうかで、この2つの言葉を使い分けることができます。
“listen” ⇒ 自ら「聞く」意思がある
“hear” ⇒ 自ら「聞く」意思はない
このような違いから、以下のように言うことができます。
“listen” ⇒ 内容に興味がある・集中して聞いている
“hear” ⇒ 自然に入ってくる・聞こえてくる
そして、それぞれ何を重視して「聞く」かによっても使い分けられます。
“listen” ⇒ 「内容が理解できるかどうか」を重視している
“hear” ⇒ 「音が聞こえているかどうか」を重視している
それでは、英語の”listen”と”hear”について、それぞれの詳しい使い方を見ていきたいと思います!
「listen」の使い方
内容を集中して聞く
まず、英語の”listen”を使って「聞く」を表現する場合は、必ず“listen to”という形にする必要があります。
そして、その”listen to”には「内容を集中して聞く」という意味合いが込められているんです。自分からちゃんと聞こうとする気持ちが感じられます。
I listened to him play the violin.
(彼がバイオリンを弾くのを聞いた。)
このように言うと、「しっかりと耳を傾けて彼がバイオリンが弾いているのを聞いた」というニュアンスになります。
他に、親や先生が子供たちに話を集中して聞いてほしい時はこんな風に言いますね。
Listen to me.
(話を聞いて。)
この表現には、「内容に集中して話を聞いて」という気持ちが込められています。「なんとなく聞くんじゃなくて、しっかりと耳を傾けてほしい。」という気持ちです。だから、”listen to”を使って表現するんですね。
内容を理解する
学校のテストやTOEICの試験などで、すっかりおなじみになったリスニングテスト。これは「内容を理解できているか」を図るためのものです。
だから、そこを重視しているニュアンスを持つ英語の”listen”が使われているんですよ。
His listening comprehension is great.
(彼のリスニング力は素晴らしいよ。)
この場合、「内容を聞いて理解する力」が優れていることを意味しています。単に聞こえるだけでなく、内容までわかっている。これが”listen”という言葉が重視している部分です。
「hear」の使い方
音が自然に聞こえてくる
英語の”hear”が意味する「聞く」には、「聞くつもりはなくても自然に耳に入ってくる」というニュアンスがあります。特に自分から進んで聞こうとしたわけではありません。
以下は、”listen”の項目で使った例文を”hear”に変えた例文です。違いをイメージしてみましょう。
I heard him play the violin.
(彼がバイオリンを弾くのを聞いた。)
この場合は、「特に聞く意思はなかったけど偶然彼がバイオリンを弾いてるのが聞こえてきた」という感覚です。「集中して聞いた」というわけではなく、「自然と耳に入ってきた」という意味合いになります。
日本語訳だけ見ると、”I listened to him play the violin.”と同じですが、そこに込められているニュアンスには大きな違いがあるんですね。
電話などで、内容以前に自分の声がちゃんと聞こえているかどうか確認するときも、英語の”hear”を使うことが出来ます。
例えば、以下のように表現できますよ。
Can you hear me clearly?
(私の声ちゃんと聞こえてる?)
とりあえず「音」として自分の声が聞こえてるかどうかを確認しているので、”hear”を使っているんです。
情報などを耳にする
他には、「周りから耳にした噂話や知らせなどを聞く」と言うときにも、英語の”hear”を使うことができるんです。
I heard that they started dating a month ago.
(あいつらは1か月前に付き合い始めたって聞いたよ。)
噂などの情報は自分で積極的に聞くというよりは、意識してなくても周りから入ってくるものですよね。だから、「自然に聞こえてくる」という感覚を持った英語の”hear”を使うのがピッタリなんです。
音が聞こえている
病院などで聴力を調べるための検査を言うときには、英語の”hear”を使います。これは、英語の”hear”が重視しているのが「音が聞こえるかどうか」だからです。
His hearing is great.
(彼の聴力は素晴らしい。)
これは彼の耳が良いことを表現しています。音を聞く能力が優れているということですね。この場合、内容を理解できるかどうかは求めていません。単に音が聞こえれば良いのです。
おわりに
今回は、英語の”listen”と”hear”をバッチリ使い分けるための違いと使い方を紹介しました。いかがでしたか?
同じ「聞く」という意味でも、それぞれに込められているニュアンスにはハッキリとした違いがありましたね。ただ日本語の意味で考えるのではなく、これらの意味合いの違いをきちんと意識しながら、使い分けていくことが必要になります。
少しずつ練習をしながら、慣れていくようにしましょう!